2016年06月30日

静かな時間

 今年の前半も終わりである。コンデジを持っていつもの公園を少し歩く。夜来の雨が草木や土を濡らしていた。曇天の空、雨がまた降りそうで降らない。風はそよとも吹かず、少し歩けば、汗が滲み出てきて蒸し暑い。散歩する人もまばらだ。ちょうど昼時だからだろう。私は、少し早めに昼食を済ませ、雑用のあと、この公園に来ている。時折、ヒヨドリが数羽高い声をあげて近くを横切る。草地を歩くとスニーカーに雫が付き、染み込んでくる感じがする。先日の受診で右膝の手術は9月になった。日程の都合だから仕方がないが、問題を先送りしているようで少し苛立ちもある。筋力を保ちながら、少しでも歩き、こうしてカメラにでも触れていたい。こういうときは人もいない公園で静かな時間を過ごすのがいい。(PowerShot S100)

 イギリスのEU離脱の可否を問う国民投票が、残留希望組を上回って予想外の「EU離脱」が決定された。直後から後悔する離脱投票した人々の声が聞こえてきた。国民投票をもう一度という嘆願もある。残留を望んだ多くの若者たちには申し訳ないが、離脱を選択したのは国民の総意に基づく国民投票なのだ。国民投票を阻止すべきであった。後悔先に立たずである。
 民主主義のお手本の国も地に落ちた感がある。あるいは「大英帝国のツケ」とも言えるかもしれない。大航海時代、そして植民地政策による帝国主義を謳歌した時代からふたつの世界大戦後の中東諸国への理不尽な線引きによる民族や宗教分断を主導したイギリスが今回の結果に大いに影響しているわけだ。かつての植民地やEU東欧諸国や中東から押し寄せる多数の移民を嫌い、多くの高齢者層がEU離脱を誘導してしまった。因果応報である。
 反グローバル主義のポピュリズムが台頭しているとよく言われる。既存の統治機構に対する不満が世界中であふれている。世界の指導者たちの質が劣化しているようだ。仮にイギリスの次期リーダーが残留を希望すれば、残留となる可能性もあるかもしれないが、EUからは冷遇されるのは必至だ。進むも戻るもイギリス国民には、連合王国分裂も含め、地獄の選択になるのだろう。国民投票は危険すぎることが明らかになった。日本の憲法を改正する場合の国民投票に安易に持ち込まれないように、国民は政治を厳しくチェックしていくことが必要だと感じた。

ガクアジサイがまだ色濃く残っていた

緑の中に他の色彩がうれしい

草の名は知らぬが、ケヤキを覆っているのが目についた

瞬く間 歳折り返す 梅雨の空