◆2017.6.7

★ツバキ文具店めぐり
 
 小川糸原作の「ツバキ文具店」がテレビドラマ化され、先ごろ最終回を迎えた。代書屋業も行う文房具店を継ぐことになった主人公の雨宮鳩子が周囲の人々のふれあいや仕事の依頼を通して舞台の古都鎌倉の街に溶け込んでいく物語だ。代書屋というあまり現代では聞きなれない仕事と鎌倉の四季が舞台ということで大いに興味を持った。テレビは録画し、途中からどうしても原作が読みたくなり、珍しく新本を購入した。図書館ではずっと貸し出し中で埒が明かず、しびれを切らしたのだった。その原作も読み終えたので、誠にミーハーだが、まずはテレビのロケ地に使われた鎌倉の寺社を訪れてみたのだ。この小説は、代書屋という仕事をいろいろなエピソードを交えながら披露しているのだが、鎌倉観光案内にもなっており、お寺や神社のほかに鎌倉グルメの参考書にもなっている。メインの寺社があるところではない大町1丁目付近は私も初めて足を踏み入れるところがあった。同じようにテレビや小説に影響されてお参りしているらしき女性たちを多く見かけた。尤も小説の舞台は鎌倉宮の先にあるのでテレビとは異なる。アジサイがちらほら咲き出し、梅雨直前の鎌倉を絵にならないおっさんがひとり、乙女チックに歩いてみたのだった。またこの付近の未踏の寺社めぐりをしてみよう。(EOS 5D3)

物語に出てきた北鎌倉駅すぐ「光泉」の稲荷寿司だ
のり巻、かっぱ巻付のものだ
本覚寺境内でこれを食した
 
「男爵」が七福神巡りのとき「鎌倉で一番うまい稲荷寿司だ」とみんなの昼食をここで買った
1時間はかかるので、先にここで予約してから近くの円覚寺を参拝することにした
店舗内の営業は今はやっていない、持ち帰りの折詰弁当のみだ
 
円覚寺に上がる石段のカエデは青々としている
 
三門脇のカエデも光っている
 
桂昌庵では弓道の練習をしているのを見学させてくれた
壁の鏡に姿が映っている
 
松嶺院は別途100円でお参りできる
ヤマアジサイが見ごろとなっている
 
小高い位置から三門や本堂を眺められる
有料とあって庭師さん以外は私ひとりで穴場だ
 
松嶺院の上り切ったところには墓地があり、
田中絹代や開高健、そして坂本弁護士の墓があることを庭師さんから教わった
 
さて、車を移動させ、大町1丁目のテレビドラマの舞台だ
この右手奥に「ツバキ文具店」があるとされているが、実際は社務所で、
鳩子が投函する赤いポストもない(笑)
 
「先代」が亡くなったときに葬儀式場となった大町会館
 
八雲神社、厄除け祈願の幟がたくさんある
鎌倉には八雲神社が大町のほかに、山ノ内、常盤、西御門にもある

 
実に静かでいい
小さい社ながらとても立派な造りだ
鳩子たちがここでお参りしたり会話する場面が多い
 
同じ通りに通称「ぼたもち寺」、常栄寺がある
この地の尼僧が護送される日蓮に牡丹餅を捧げたことに由来するという
大町周辺は日蓮さんゆかりの地で鎌倉の中では日蓮宗の寺が密集している
七福神巡りをするメンバーのひとり「パンティ」さんが集合に遅れそうになってこの前を走り抜けた
 
妙本寺の総門、道路の辻にある
男爵と鳩子がすれ違うところだ
「おい、鳩ポッポ、あんまり仏頂面で歩いていると3割不細工に見える」と忠告したところだ
 
総門を正面から見る
右側の八角形の建物は「比企谷(ひきがやつ)幼稚園」で
妙本寺が80年前の当初から幼稚園として創建
 
参道は昼なお暗く、ひっそりとしている
遠くからかすかに比企谷幼稚園の子どもたちの声が聞こえてくる
 
渋い朱塗りの二天門、奥は大師堂
ここもカエデが青く美しい
秋にまた来たい
 
立派な大師堂だ
春は桜、秋には紅葉で人出があるが、濃い緑だけのひと気のないこの時期もいい
 
ひと際大きな五輪塔があった
 
妙本寺総門から本覚寺方面を臨む
寺の街としての雰囲気溢れるロケ地にぴったりのところだ
 
この街に住む人々はやはりどこか優雅そうだ
 
本覚寺仁王門前の滑川支流に架かる夷堂橋
 
夷堂橋から上流を見る
若宮大路からは200メートルしか離れていないが静かな雰囲気だ
 
本覚寺境内にて
「しあわせ地蔵」にはアジサイも供えられていた

夷堂が独特の形をしている
鎌倉七福神のひとつ

本覚寺境内で昼食後、来た道を引き返す、本日はここまで
夷堂橋から妙本寺総門を臨む
手前の魚屋さんはドラマの「魚福」だが、看板が錆びすぎて本当の名前がわからない
「魚七商店」というらしい

通りを挟んだところにアジの開きが干してあった
魚七のものだろうが、何かおおらかでいい

妙本寺総門、比企谷幼稚園前を通る人力車
幼稚園はすでにお帰りの時間だ

大町1丁目の細い道をまた戻っていく
静かな一日を送ることができた
帰ってきてテレビをつけると関東も梅雨入りしたという

ここだよと 教えたくなる ロケ現場
古都めぐり 知らぬ寺々 未だあり

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