◆2021.4.26


満月前
 
 日の暮れる時間も遅くなり、夕食時でもまだ明るい。冬から春に向かうときは、だんだんと朝早く日が昇り、だんだんと日が遅く沈んでいくのがうれしく感じる。夜がまったくないのはご免だが、昼間の時間が次第に伸びていくこの季節は少し高揚感があっていい。人生の上り調子のときがあったとしたら、こんな感じを何倍にもしたものだったのかもしれない。もう過去のことはどうでもいい。今がそれなりの幸せを感じていれば充分なのだから。窓の外を見やると、月が煌々と照っていた。残照がある方角とは逆の東のまだ青い空にほぼ満月が浮かんでいた。食事を中断してカメラを手にした。今日は湿度が低いせいか、クリアな月であった。月は自宅から眺めるのが一番だ。明日は満月ということだ。(SONY a7R3)

 3度目の緊急事態宣言が、東京、大阪、京都、兵庫に出された。昨日4月25日から5月11日までの17日間のみである。酒類の提供をすべての時間帯に渡り中止させる、デパートなど大規模商業施設は休業要請、イベントは無観客などそこそこ厳しいが、今さらか、という気がする。しかも期間が短く、協力金のみの休業補償もない中途半端な要請なので効果はさほど期待できない。まして神奈川、埼玉、千葉はまん延防止措置で一部の地域のみであり、観光地はほぼ制限なしだ。最近、コロナ関係で「人流(じんりゅう)」という耳慣れない言葉が政府関係者などから聞かれる。かなり言葉としての違和感を覚える。「人の流れ」とか「人の移動」などでいいではないか。「人流」という言葉は当然広辞苑にもない。「マンボウ」もそうだったが、勝手に言葉を縮めたり、作ったりするのはよくない。こんな状況下にあってか、衆参の3つの補欠選挙、再選挙で自民党がすべて負けてしまった。広島の金まみれの先の選挙がひどすぎて地元民の怒りも頂点に達したのだろう。かといって今の野党が政権を握ることはもうご免こうむりたい、とは思う。任せられる政治家のいない日本は、今後ますます世界から取り残されていく気がする。5月中旬からのコロナ再々々拡大が極めて心配だ。ただ、ひとつ気をつけねばならないのは、コロナの拡大を強力に防止するために、個人の人権、私権を無視した法律による圧政を許すことは絶対にできない、という点は肝に銘じておきたい。コロナ阻止と人権を守ることは相反する場面もあるかもしれないが、民主主義の先進国のひとつである日本が各個人の自覚をもってコロナとも戦い、政治の悪とも戦わなければならない、そう感じるこのごろである。

左側がほんの少し欠けている満月前の月だ

月がそこにあるだけでほっとする

箸止めよ 暮れなずむ空 月愛でる

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