2021年08月02日

緊急事態なんです

 本日、8月2日から神奈川、埼玉、千葉、大阪の4府県を加え、東京、沖縄も引き続き31日まで緊急事態宣言が発出されることになった。しかし、オリンピックは続行されている。途中での中止の話などまったくない。菅首相は「東京五輪はコロナ感染拡大の原因になっていない」とし、五輪組織員会の武藤事務総長は、大会関連の新型コロナウイルスの感染状況について、「これまでのところ想定内のレベルと考えている」と言う。これまで276人の大会関係者の陽性者が出ているにもかかわらずだ。そして、五輪開会式の視聴率が56%などという状況を受け、バッハ会長は「日本人は大会の開催を受け入れている」とした。彼らは、全くと言っていいほど日本国民の心情を理解していない。
 確かに、感染拡大している東京都民とある程度隔離された五輪関係者との接触感染はかなり少ないかもしれない。しかし、大会が開かれていること事態が都民、国民感情とその行動に与える影響とデルタ株による感染拡大状況との関連性を詳しく調べているのだろうか。緊急事態宣言下で都民らの行動制限を要請しておいて、大規模イベントである五輪大会を国内外から多くの関係者を移動、集結させ、連日実行させており、矛盾した日本政府やIOCの感覚に怒りや無力感を覚え、無茶をする若者が増えるのも当たり前であろう。
 五輪の視聴率が高いのは、テレビのどのチャンネルをかけてもそれしかやっていないからだ。純粋に楽しむ人もいれば、この状況を苦々しく思いながらも日本選手を応援している人もいるだろう。決して、100%この大会を受け入れているわけではない。視聴率は国民感情を反映しているわけではない。
 ある医師は「金メダルを多数獲得しようが、感動や希望を与えようが、現在直面している新型コロナ感染急拡大を抑止する能力も効果も一切ない。「スポーツの力」など、今の状況ではまったく無力なのだ」(木村知さん)と現実を突きつける。
 7月31日の感染確認者数は、東京都4058人、日本全体で1万2341人と過去最多となった。7月下旬以降、重症者数も入院者数も上昇しているのが現実なのだ。「緊急事態宣言」を乱発し、「安心安全」とお題目を唱えるだけの実効性のない感染対策と五輪を続行している日本政府の異常に能天気な状況こそが、「今、日本自体が緊急事態なんです」と言いたい。(SONY a7R3,SH-M15)

   今日の午前中は夏の空が広がっていた

お屋敷の芙蓉の花も咲いている

教会の芙蓉は華やかだ

自宅の網戸にはつかまりやすいのか、蝉がよく来る

清々しい夏の空はいいが、暑さには参る

コロナ禍の 五輪うらめし 葉月空
宣言下 汗もそっと拭く 蝉の声