2022年05月26日

ドクダミの艶姿

 ふと思い立って、自宅駐車場前の植込みからドクダミが顔を出していたのをいくつか摘んできた。室内でブツ撮りとして、ドクダミを撮ろうと思ったのだ。ドクダミという言葉の響きが悪い印象だが、広辞苑を引いてみると、「毒を矯める・止める、の意。江戸時代中頃からの名称」とある。漢字では「蕺薬(しゅうやく)」と書く。毒消しの意味なのだろう。私の実兄はひところ「ドクダミ茶」に凝ったことがあり、葉を大量に乾燥させ、煎じて飲んでいた。体に良さそうだが私はひと口でやめた。
 口にするのは、今後もないと思うがこの季節の風物詩であり、あちこちやたらはびこる厄介者でもある。嫌われ者ではあるが、その姿は美しいといつも思っており、花が咲く頃にはつい写真を撮ってしまうのだ。今日はドクダミが主役の撮影をするため、部屋で照明を当てて撮ってみた。どことなく着物姿の女性が艶やかに踊りでも舞っているようにも見える。花の部分がしなやかに首を延ばした頭部であり、葉が着物の袖を広げているようだ。
 何とかカメラを触って日々を過ごしたい気持ちがあるので、何でもいいから身近なものを丁寧にこれからも撮っていきたい。(SONY a7R3)


艶やかに舞う浮世絵にでも出てくる女性を想像してしまう


50mmマクロで近づいてみた
花芽が初々しい


別の花も撮ってみたが、似たようなものだ
それにしても小さな芸術品だと野の花を見ていつも思う

ドクダミの あですがたに 見惚れ撮る