2022年10月21日

円安の秋空

 昨日、今日とよく晴れて過ごしやすい。やや汗ばむ暑さの名残もあるが、朝晩は冷え込みもあり、寒暖差アレルギーらしい私は寝ているときに咳き込むことがある。それでも今のこの季節は清々しくていい。
 季節的には過ごしやすくていいのだが、世の中は物価高、円安で日本は苦難の長い道のりがこれから始まろうとしている。失われた20年とか30年とか言われた日本が、失われたままの日本になろうとしているのだ。長期的視点に立った人材育成に重きを置かず、目先の利益を重視してきた安倍政権の大きなツケが現実になって現れてきているのだと思われる。
 安倍さんは2014年のOECD閣僚理事会の基調演説で「学術研究を深めるのではなく、もっと社会のニーズを見据えた、もっと実践的な、職業教育を行う」と発言し、日本の今後をそのように位置付けてしまったのだ。目に見えるカタチで役に立つもの、カネになるものは確かにモチベーションのひとつで重要ではあるが、それはごく一部でしかない。人類史観的な立ち位置から研究者の好奇心を応援できる国や世界のバックアップ体制を日本政府も担う義務があるはずなのだ。沖縄科学技術大学院大学(OIST)という日本政府主導の研究機関があるが、200億円程度の予算では不十分だろう。しかも日本人の学生がほとんどいない。実利目的以外にも日本の既存の大学でも生活の心配なく自由に基礎研究ができる環境を日本政府は「急がば回れ」で投資できないと日本は滅ぶし、世界の発展にもつながらないだろう。
 このところの32年ぶりとされる円安と日本の経済が、未知への好奇心からほとばしる研究したいという若者の未来をも奪っているひとつの要因になっている気がする。これを書いている段階では1ドル151円94銭まで円安となったが、かつては1ドル360円の固定レートであった。何とか耐え抜いて遠回りでもいいから、日本の若者が浮上できる機会を日本政府は与え続けてほしいものだ。(SONY a7R3,PowerShot G7X2)


痛む足を引きずりながら空がよく見えるところまで来た
うろこ雲が見事だった


散歩前に自宅ベランダからもそこそこうろこ雲が見えた


P-1哨戒機が腹を見せて飛んでいる


散歩途中、コムラサキの実が目を引いた


渋柿なのだろうか、獲られた形跡がない


散歩途中にあるかつては何かのお店だった建物


ポスターが草に埋もれて、岸田さんも甘利さんも埋もれそうだ

円安の 秋空高く 物価高