2023年05月15日

走り梅雨のころ

 このところ雨がちな日々が続いている。どうやら梅雨の走り、走り梅雨らしい。6月の本格的な梅雨の前に5月中旬ごろに降る雨のことをいう。雨が降るとリハビリの散歩ができなくて困るが、合間を見て少し散歩するしかない。リュックにコンデジと折り畳み傘を持って近くを散歩した。手には1本の杖がある。よく歩く広めの歩道にはいろいろ植栽されていて、休み休み歩く私には目の保養になっていい。いろいろと園芸種の花が咲いていて、それはそれできれいでいいのだが、いっしょになって道端に咲く野の花もいい。いや、野の花がいい。
 今、朝ドラで「らんまん」という植物学者牧野富太郎をモデルにした番組を放送している。「雑草という草はない」という言葉は昭和天皇が発したことで知られているが、富太郎の発言を元にしたものらしい。そして、ドラマの中で気に入ったセリフで、元彰義隊の生き残りで自暴自棄になっている長屋の住人に万太郎(富太郎)が言った言葉がある。
 「どの草花にも必ずそこで生きる理由がある。この世に咲く意味がある、必ず」
 雑草という草はない、という植物学者として、人間としてすべてに通ずる言葉に原動力と説得力がある。
 富太郎は若くして植物に目覚めたが、私などはそれこそ仕事を辞めて写真をよく撮るようになってからだろう。桜や紫陽花、ネモフィラもいいが、公園の草むらで春先に咲き出す、オオイヌノフグリがとても印象的で何度も撮っている。その名にそぐわない花の可愛らしさ健気さがいい。最近はしゃがみ込んだり、四つん這いになったりして、低い位置でマクロレンズを向けて撮影できないのが残念だが、野の花としては好きな花だ。そして、ドラマの中にも出てきたドクダミである。ちょうど今咲き始めてきている。以前は見向きもしなかった花だが、何ともその潔い凛とした花と葉のかたちもすっきりしていていい。
 今日の午後は、そんな花たちを片道500メートルの散歩道の中で、足の痛みに耐えながらじっくりと撮影したのだった。幸い雨にも降られず、リハビリもできてちょっと幸せな時間を過ごせたのだった。(PowerShot G7X2) 


自宅マンションの植栽には、遅咲きのサツキが先ほどまでの雨に濡れていた


キョウカノコ、京鹿の子が飛び散る花火のように咲いていた


ムラサキカタバミがまだ鮮やかに咲いている


コバンソウにテントウムシがちょこんと乗っかっていた


いち早く咲き出したアジサイはまだまだ若々しい


このアジサイは隅田の花火か


去年も撮ったサツキがいっぱいのベンチ


ガードレールにうまい具合にツルバラが巻き付いていた


初夏からの風物詩のタチアオイが咲き出していた


このアジサイはかなり広がってきた


だんだんアジサイで賑わってくるようだ


ホットリップスが今年も可愛く咲いている


咲き終わったナガミヒナゲシのケシ坊主の群れがなぜか愉快だ


ここにもテントウムシが・・・
他の葉にも無数にいた


タンポポがまだかなり咲いていた


ウスベニアオイが自宅駐車場前の植込みで咲いていた


そして、トリはドクダミだ
この花が咲くと梅雨が始まり、夏が始まるのだと教えてくれる

走り梅雨 ドクダミ見つめ 富太郎
道端に 咲きし花の名 もっと知り