2008年10月23日

横浜松坂屋の閉店

 横浜の伊勢佐木町にある「横浜松坂屋」が前身の野澤屋時代を含め、140年の歴史を26日(日)で閉じます。私は高校生のころ、この松坂屋の向かい側にある書店の有隣堂にときどき来ていた程度で、松坂屋に入ったことはありませんでした。しかし、賑やかだった当時では、この松坂屋は繁華街伊勢佐木町の象徴だったことでしょう。かつて南区に住んでいた妻の家族は、時折、市電で中村橋から羽衣町まで乗って、松坂屋に買い物と食事に来たそうです。食事は7階にある「お好み食堂」でお子様ランチを食べたことを懐かしそうに話していました。40年以上前の子どものころの話ですけど・・・(^^;。 ※訂正:「40年以上前」とあるのは誤りで、正確には「約50年前」でした(*_*)。
 この横浜松坂屋の閉店に伴い、閉店セールはもちろんのこと、店内を撮影できることになったのです。昭和9年に改築された建物は、横浜で唯一戦前から残るデパート建築とされていて、市の歴史的建造物にも認定されており、アール・デコ調の直線や曲線でデザインされた装飾は、なかなか興味を惹かれます。普段デパート内をカメラでバシャバシャ撮るなんてことは不可能なので、これはいい機会と思い、行ってきました(^.^)。ま、こういうイベント企画に乗るのもたまにはいいかな、と。(EOS 20D)

デパートの正面壁面
バルコニー装飾も重厚ではあるが、割とシンプルでしつこくない

「閉店セール」の文字があちこちに躍っている
年中閉店セールで売っているどこかの店とは違い、ほんとの閉店セールだ

入口の案内で申込書を書き、許可証をもらう

1階のエレベータホール
この懐かしい時計スタイルの階数表示板が人気だ
昔、エレベータの扉は蛇腹式だったと、妻はいう
その方がこの表示板とは釣り合いそうだ

休止中のこの表示板がもっとも古くて、
横浜で初めてエレベータが許可されたときのものだという

3階までがこのスタイルになっている
閉店セールのポスターが涙を浮かべているようだ(^.^)

デザインはシンプルでなかなか面白い

4階以上は、表示板のみで後ろの照明はない

次はエスカレータの側面の装飾
Mという字がデザイン化されているのか、他で見ることがないですね

これもエレベータの表示板と同様、真鍮製です
往年にはもっと黄金色に輝いていたのでしょう

いろいろと撮っています(^.^)

これで最初で最後かと思うと、やたら撮ります(^o^)

ここは7階の「お好み食堂」
上にぎりとビールでいってみました(^o^)

窓の装飾もアール・デコとのことです
戦前としては、かなりポップでモダンだったのでしょう

階段の踊り場には、階ごとに伊勢佐木町の昔の写真を掲示してあります
これは、前身の野澤屋呉服店が1864年開業したころのもの
意味はわかりませんが、「入九」が店の標章になっています

同じく階段の壁に階数を表示したプレートが掛かっています
「禁煙」の表示や壁を這わせる配線・配管などレトロを感じます

太い柱に付けた丸いテーブルとそれを支える金具も面白い
床のデザインも「モダン」さを感じさせる

7階に置いてあった椅子
背もたれの違うものを置いたのが少ししゃれている

屋上には「ゆず」の壁画があった
「ゆず」は横浜松坂屋前で路上ライブをやっていたことで知られている

閉店にあたり「ゆず」が来てくれたそうだ

屋上には「伊勢佐木稲荷」というお稲荷さんが祀られている

そして、この松坂屋の名前を横浜で見つけることはもうできない