2010年04月21日

歌舞伎座

 震災や戦災などによってたびたび建て替えや修築されてきた現在の歌舞伎座は、1951年に開館されたものですが、今月末でその60年の歴史に幕を閉じ、2013年、新たに近代的な歌舞伎座の建物になります。歌舞伎にはほとんど縁がなく、別の劇場で一度見たことがある程度の経験しかありません。それでも歌舞伎の世界は、日本人にとって日本文化を象徴する大切な生きた遺産となっていて、何かとテレビで取り上げられ、歌舞伎役者やその独特な世界が身近に感じるものになっています。そして、それを育んできた歌舞伎座という建物もいい味を出している存在ですね。
 近くにはよく来ていたのですが、歌舞伎座を見たのは初めてなんです。この建物では最後の興行をうっており、多くの観客と建物をひと目見ようという私のような物好きな人々が集まってごったがえしています。機会があればぜひ内部もじっくり見たかったですね。古き良き時代の東京の名残があるとてもよいものを見た気がします。(EOS 5D)

このお城ともお寺ともつかない、はたまた銭湯のような不思議な和のかたち
取り壊される今となっては、とても惜しく感じる

あと「10日」というカウントダウン

「御名残四月大歌舞伎」と銘うった興行は人であふれかえる

昼の演目と夜の演目、それぞれの看板がある

入り口上部の破風と櫓が妙な取り合わせで面白い

歌舞伎座の正面右側面
敷地内に「歌舞伎稲荷大明神」が祀られている

大道具らしいものの搬出作業が行われていた

一応、裏側にも回ってみた
少しばかり壁面が見えた
最後だから、何でも撮ってしまう(^^ゞ

間近ではカメラに全景を収められないので、道路を隔ててみなさん撮ってます

これは以前訪問した愛媛県の内子座
当初建築は1916年なので、歌舞伎座より古い
デザインがほぼいっしょ、歌舞伎座がパクったのでしょうか(^^ゞ
それとも伝統様式があるのか

勘亭流歌舞伎文字の独特な曲線がいい
文字の上のは、「鳳凰丸」という歌舞伎座の座紋であちこちにある

正面玄関で記念写真

昼の部の自由席を求めて並ぶ

歌舞伎座の独特なシステムとして、ひと幕だけでも見られる
一幕見席(ひとまくみせき)という当日自由席があるのだ
1000円から1500円とは安い
ちなみに1階桟敷席は今回17000円だ
新築後も一幕見席は残されるので、行ってみようかな

コンクリートの武骨で古い施設に機械を無理に嵌め込んだ感じだ

反対側は当初のままの窓口だ

切符売場の看板がよく目立つ

こんなアナログ的お知らせ看板も懐かしい

近くには一休みできる腰掛も置いてある

日本の近代建築物は実用に合わなくなると壊される運命にある
1000年前の寺院建築を残すことはできても、
100年前の建物を使いながら残す知恵と努力が足りないようだ