2010年08月27日

アブラゼミの羽化

 今日は昼の部、夜の部ともにセミ三昧でした。セミなんか気持ち悪い、と思う人は見ない方がいいかもしれません(^^;。
 子どものころからセミは身近にいた昆虫で、夏になれば、よくセミ取りをしました。母が手ぬぐいを継ぎ合わせて作ってくれたセミ取り袋を網代わりに使います。また、自分で細い竹の先端に針金か竹の枝で輪を作り、クモの巣をたくさん絡めて、セミを粘りで取ります。そんな子どものころを思い出しますが、セミが夜に羽化する様は、今まで一度も見たことがありませんでした。ふと、どうしても羽化する様子をこの目で確かめたくて、計画を実行しました。
 昼間のうちにセミがよく鳴いている場所、セミの脱け殻が多くある場所をリサーチしておきます。セミが土中から這い出てくる穴もよく観察しておきます。夕方、日が沈むころ、木の近くのセミの穴を見て回ります。懐中電灯で穴に光を当てると、ほとんどの穴は使用済みのカラですが、幼虫が地面の少し手前まで登ってきているのがいくつか発見できます。それがきっとこの後、這い出して木に登り始めるのです。そして、そのときを待ちます。
 今回はふと気がつくとすでに木に登り始めた幼虫がいました。アブラゼミの幼虫です。動いている幼虫を見るのも初めて。慌ててこれをターゲットとしました。木を登る速度は、思ったよりも速く、すでに目的地がわかっているかのように、どんどん登っていきます。そして、枝のひとつに進み始め、まず、葉っぱの裏に陣取りました。ここで羽化するのかと思ったのですが、しばらくして、また、動き出し、結局、枝をもう少し登ったところで、じっと動かなくなりました。それから待つこと40分、もう、このセミは羽化しないのでは?と思ったころ、背中が盛り上がり、割れて、白いものが見えてきます。それから少しずつ、脱皮しつずけて45分後、成虫が完全に殻の外に出ます。そして、20分後には羽が伸びきります。この段階で午後8時40分ごろ。羽が完全に乾き、成虫の色彩になるには深夜か翌朝までかかりそうなので、もう引き揚げることにしました。夕飯、まだ食べていないので・・・(^^;。
 6年の幼虫期間とわずか2週間たらずの成虫期間、この真夏の猛暑の中で必死に生をまっとうしようとする姿に改めて感動しました。見た目のグロテスクさはありますが、この健気なセミたちに、拍手を送りたいと思います。(EOS 5D)

昼間のアブラゼミ
ちょっと見飽きてきたし、ドアップするほどのものでなし・・・

いくら近づいても逃げないときは、逃げない

アブラゼミの脱け殻が鈴なりに

やっとミンミンゼミが近くにいた

またもアブラゼミの脱け殻

おじいちゃんといっしょにセミ取りに来ていた子

セミに辟易したところでチョウでも
アサギマダラか?初めて見るチョウだった

サトキマダラヒカゲらしい

また、セミの話
このポツポツ開いている穴がセミの這い出た穴

セミはいまひとつだが、背景がきれいだった

ここからは、アブラゼミの羽化の様子
ご覧になりたい方だけどうぞ(^.^)

午後6時25分
根もとから近いところを登り始めていた
これは脱け殻ではない、生の幼虫だ

午後7時20分
7時ごろ、枝の特定の位置をやっと見つけたようだ
20分ほどもじもじしていたが、急にじっとして動かなくなった

午後7時41分
上の写真の直後に背中が割れ始め、成虫が脱皮し始めた

午後7時51分
顔も出てきた

午後8時15分
完全に脱皮し、脱け殻の上にしがみついている

午後8時21分
畳まれていた羽がどんどん広がっていく

午後8時31分
羽はまだ広がっていく

午後8時36分
羽も完全に伸びきった
観察はここまで