2011年04月14日

花いかだ

 「いかだ」は「筏」と書きます。散り行く桜が水面(みなも)に落ちて、筏のように水の流れにしたがって流れていくさまを表現する言葉です。「花筵(はなむしろ)」ともいいます。山から切り出した杉や檜を川の流れを使って運搬する筏になぞらえて、「花いかだ」と言ったいにしえの人の繊細な感性に脱帽します。「花がすみ」「花ふぶき」などと桜にまつわる素敵な言葉が日本語にはありますね。
 満開に咲き誇る桜も見ていて美しい、と当然思うのですが、この散り行く桜にいつも心が惹かれます。ゼロ戦の特攻隊と重ね合わせるのが何とも悲しいのですが、「散る桜 散らぬ桜も 散る桜」がいつも頭に浮かびます。そんな悲劇を差し引いても、この桜の散り際の美しさに心を奪われます。凛とした美、とでもいうのでしょうか。こちらでは、もうまもなく、桜が散り終えようとしています。もう少しその最期の姿を捉えていきたいですね。(EOS 5D)

池に浮いた花びら
葦に焦点を合わせてみました

池の鴨も何か戸惑っているようだ

ひと風吹くごとに舞を見せてくれる

水路に落ちた花びらが次々と流れ行く

水深の浅い水路では花いかだの影が水底に映る