◆2012.1.30

★再生
 
 私の人生で入院経験は二度目であった。最初は14年前、父親の葬儀が済んで間もないころ、ウィルス性の急性腸炎にかかり、救急車で運ばれ、意識朦朧の状態から何とか10日間で退院できた。そして、今回の入院は、約1年前から患っていた大腿骨骨頭壊死に伴う人工股関節置換手術のための計画的な入院であった。予定どおり、22日に入院し、23日に手術、28日には退院するという1週間メニューが昨年のうちからセットされた行程のとおりにことが運び、ほぼ完璧な状態で手術は成功し、術後の経過も傷口の周囲の想定される痛みや腫れの範囲に留まっており、日々体調や体の動きがよくなっている。
 今は自宅で軽いリハビリをやって、徐々に筋力を取り戻し、歩行が容易になるよう努力しているところだ。まだ、外出ができるような状況ではなく、部屋内とマンションの廊下を杖を突いて、少し歩く程度の世界で過ごしている。もともと慢性関節リウマチでいためていた両膝、両足首の関節の痛みが患部の左股関節をかばうために逆に強くなってきているのが、ちと厄介なところだ。しかし、左股関節自体の痛みはきれいに消えており、いずれ他の関節の痛みもいくらか和らいでいくと思っている。半年経てば基本的には完治しているはずだ。
 ただ、一生伴う負担が三つある。一つ目は、人工股関節という代物は一生使える保証のものではなく、半年なり1年に一度通院して、弛みや損傷の有無を生涯にわたりチェックを受ける必要があること、必要があれば再手術しなければいけない。二つ目は、その形体の特性から「脱臼」と呼ばれる人工股関節の動きを可能にしている柄の付いた球体部分がその受け皿部分から外れる危険性が常にあるので無理な動き、姿勢はしないこと。したがって、人工股関節を装着したからといって、以前のようには動いてはならない。主に、膝と胴体の角度が90度より鋭角になるような前かがみの姿勢や極端に低い椅子に座ること、体をひねって後ろを振り返る、高いところのものを取ろうと背伸びする姿勢も外れやすいそうだ。三つ目は、人工股関節を長持ちさせるために、すっかり歩けるようになっても1日5000歩以内、重いものは持たない、体重を今以上に増やしてはいけないなど延命作戦が生涯続く。
 入院中は、コンデジを持ち込み色々撮ってやろうと意気込んでいたが、手術後の痛みや睡眠不足で大した写真は撮っていない。手術結果がどんなことになっているか、わかるように手術直後のレントゲンフィルムを先生に見せてもらったので、妻に撮ってもらった。右側に写っているのが手術した左足で真っ白になっている部分が人工股関節、反対側の正常な右足と比較するとわかりやすいと思う。
 
 今回お世話になった病院(正確には19床なので診療所)を参考までに紹介しておきます。
 湘南鎌倉人工関節センター
 神奈川県鎌倉市台5-4-17
 0467-47-2377 ホームページ
人工股関節の置換手術専門の徳洲会系の病院です。通常の病院では1ヶ月半から2ヶ月の入院を要しますが、ここではたいてい1週間で退院できます。以前、テレビや雑誌でも取り上げられたようで全国から患者がやってきます。専門なので、術前術後、入院前退院後にいたる細部にわたり、きちっとメニュー化され、不安感はかなり解消されます。変形性股関節症の女性が患者の大部分だと思います。何年か置いて反対側も手術する方が多いですね。(F200EXR)

今朝自宅のベランダから(EOS 7D)

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