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今年の夏は温暖化の進行もあってか、真夏日、猛暑日の目白押しである。この暑さが熱さに変って、オリンピックの日本勢の活躍に先日の銀座の凱旋パレードは大いにヒートアップした。こんな熱狂に満ちたパレードはこれまでになかったものだろう。
そして、ヒートアップしたもうひとつの話題。韓国、中国と日本がそれぞれ領有権を主張する領土問題。この問題を解決する平和的な手段はおそらく存在しないので、戦争で決着つけるか、曖昧な実効支配を継続するか、いずれしかない。人間は、人類はなぜ、かくもごく狭い範囲の同胞しか信用できないのだろう。そして、「土地」にこだわるのだろう。人が生まれて育って成長し、やがて老いて死ぬまでのわずかの期間の中で、その瞬間を充実したものとして生きればよいのに、奪う、奪われるを繰り返し、不毛な争いばかりを繰り返している。
山本美香さんはこの不毛な争いで奪われる女性や子どもの命を伝えてきて、自らの命まで奪われてしまった。人間のこの狂気に満ちた排他的独占欲をリセットし、一からやり直すことはできないものなのか。歴史は多くの戒めを残しているにもかかわらず、人間は学習することができず、いまだに争いが絶えない。
そのわけは、現存する宗教によって創り出されたものではない、どこか遥か遠いところにいるであろう、絶対的な「神」という存在によって、やがて滅びることがプログラムされた中で人類はその存在意義を試されているのではないだろうか。
ちょっとした政治や宗教、民族の違いで殺しあうなど、まして、小さな島のひとつやふたつで同じ人間どうしが争うなど何の意味があるというのだろう。誰もが平和で安穏とした暮らしがしたいのだ。そうはさせないという無慈悲な「神」による過酷な試練は人類消滅の日まで続くのだろうか。
いくぶんか涼しい風が窓やドアを開け放つと頬をよぎっていくようになった。今日から学校が始まったところも多いようだ。もうしばらく、辛抱すれば私の好きな秋がやってくる。(PowerShot
S100) |
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