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割と近いところにソバの花の咲く畑があると知って、見に行ってきました。場所は横浜市瀬谷区竹村町で、大和市との境界を流れる境川に近い畑の一画です。意外と狭い畑でソバの可愛らしい花が結構咲いていました。近くで草取りなどの作業していた人に話を聞くと、このそば畑でそば粉を収穫するのではなく、そばを普及させるためのイベントのために栽培しているとのことでした。
実はここは、近くで製粉業を営む会社の畑なんです。来月、この場所で新そばを食するなどのそばの花ふれあい祭りが開かれることになっています。今咲いている花は摘んで来場者に竹筒に入れて配るのだそうです。ですから、この畑からはそば粉は収穫されません。仮に収穫したとしても100キロにも満たないので、商売としては使えないそうです。製粉会社としては、今、北海道からのそばの実を新そば用のそば粉にしているとのこと。そのそばがふるまわれるようです。
もっともそば粉は、北海道から長野、福井などの国内産はわずかで80%以上は中国やアメリカ産で普段口にしているのは国産ものは極めて珍しいようです。また、「新そば」といっても、国内産では収穫時期のずれがあり、10月、11月が新そばの季節とは限らないのですね。そばの実を上手に保存すれば、一年中、新そば状態のうまいそばが食べられるという話です。つまり、「新そば」を売りにして、秋に大々的にPRするようなそば屋は、新そばの時期以外はまずくて喰えないそばを出しているとか。
ひところ、白い更科そばが好きで、食べ歩いたことがありますが、自分の家の近くでも結構いけるそば屋があり、今度はそば本来の食べ方で、接してみようと思ってます。つまり、そばはあくまで、寛げる空間であるそば屋で出される肴でひとしきり酒を飲んだ後のしめとして、ちょっといただくのが、よさそうです。そばしか食べず「新そばはやはりうまい」などという、薀蓄を垂れるそば通は本来の姿ではないみたいですね。江戸評論家でそば屋好きの故・杉浦日向子さんがくわしいです。(EOS
7D) |
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