2013年12月13日

冬の静寂

 つい先日までの艶やかな紅葉と打って変わって、木々は葉をすっかり落とし、冬の沈黙の時間に入ろうとしている。いや、完全に沈黙しているわけではない。よく目を凝らせば、冬の森が大忙しだということがわかる。森ではいろいろな木が実を付け、野鳥たちを呼び寄せ競わせて、熟した実を食べさせるようにしている。冬の森の台所は結構騒がしいものだ。舞い落ちた葉たちは、積み重なり、昆虫の住み家や餌になったり、他の植物の栄養に変わっていく。さっと風が吹けば、まだ新しい枯れ葉の擦れ合う音も賑やかだ。水辺では遠くから来た鴨たちが、のんびりと冬の陽を浴びながらも、時には大きな声を上げて喧嘩するものもいる。
 しかし、総じて冬は静かだ。この静寂さは、「しじま」と呼んだ方がいいかもしれない。冬の静寂(しじま)の中に、身を置きつつ、一枚の写真を狙う私がいる(笑)。(EOS 5D3)

夕方、思いついて相模川近くに行った
もう陽が沈む

そして、沈んでしまった
色んな音はするものの、冬の静寂は広がっていく

陽落ちて 冬の静寂に 身を潜め