2014年06月09日

あじさいの里・白鳳庵

 梅雨空が続いていますが、雨がまだ来そうにない午後の早い時間に、横浜市瀬谷区本郷という地区に行ってきました。自宅から比較的近いところにアジサイの名所はないかとネットで調べていたら、この地区にある「あじさいの里」という場所がヒットしました。近くに駐車場はなく、相鉄線の瀬谷駅近くのスーパーに車を停めて10分ほど歩きました。まったく予備知識がないままに訪問したため、そこが個人の家と知ってびっくりしました。このアジサイの時期だけ自宅を開放しているとのこと。広大な庭内に植えられたアジサイ3千株は圧巻です。庭内に茶室があり、それを白鳳庵と名付けています。当家は幕末から明治にかけ、養蚕業で財をなし、不動産業を営み、横浜市議会議長にもなった先代が確固たる地位を築いたようですね。地方に行けばよくある話のひとつかもしれません。ある種の還元かもしれませんが、自宅の庭を開放して収集した自慢のアジサイを庶民にも見せてあげましょうという心意気には、ただの成金ではないものも感じます。いいか悪いかは別にして、文化は金や権力を握ったごく一部の人間が残し、育てることが可能なのかもしれません。ここのアジサイがそれほどのものとはいいませんが、現在伝わっている文化遺産はそんな一部の人間の商売や趣味嗜好の延長のものが多い気がします。金も才能もない私のような人間は、ぽかんと口を開けてその遺産の写真など撮っているのでしょう。などと卑下してみるもののこんな大邸宅に住むのは不便で手入れが大変だろうなと、つまらない強がりでも言っておきましょう(笑)。(EOS 5D3)


この門は明治期にあった神奈川県庁の正門を払い下げ、大正期に移築したもの
まあ、それくらいすごく羽振りが良かったということだろう


今回は初めてのところなので、説明的な写真が多くなる
蔵が三つも並んでいる個人の家、って一体・・・


現在は住んでいないと思われる母屋の一部
石灯籠がこれからよく出てくる


先代当主は2007年、103歳で亡くなっている
自宅に親族の銅像がある家、って一体・・・


十三重の塔は他にもひとつあった
アジサイはまだこれからが見ごろだろう


石灯籠がまた・・・
アジサイもよく見ると種類がいろいろある


庭内には順路のように敷石が張りめぐらされている


迷うことはないが迷路のようだ


とにかく3千株のアジサイで埋め尽くされている
鎌倉の明月院より多いはずだ


アジサイの周囲には他の樹木もあり薄暗くなっている


遠くに別棟が見える


ここは茶室の庵ではなさそうだが、雰囲気がいい


東側にはちょっとした広場があり、写っていないが切り株の椅子が多数おいてある
近くにはアジサイを見に来た客のための公衆便所も用意してある


どの代の当主の趣味なのか、石灯籠がやたら多い


敷地が広いためさほどうるさくは感じないが、石灯籠がちと多すぎる


この雰囲気は、ちょっと鎌倉長谷寺っぽい?


中央に写っているのは橋
敷地内には何と川が流れている、かつての養蚕のためか


多分、布袋さんだ
さらなる当家繁栄を願ってのことだろうか

雨近く あじさいの里 花充つる