2014年07月30日

川面の揺らぎ

 毎日うんざりするような暑さが続いています。温度計と湿度計の付いたデジタル置時計を居間と自室に置いてありますが、ちょこちょこ観察していると、湿度が60%未満で風があれば、気温が30度を超えていても、何とか凌げる感覚があります。気温29度、湿度55%ならば、今日の体感では心地よい範囲に入ると思います。
 暑さを理由にこのところ、ほとんど撮影活動もしていませんでしたが、今日の午後は思ったほど湿度も上がらず、ちょっといつもの公園に出かけてみました。今年も蝉の鳴き始めるのが遅いようですね。ここ数年同じ傾向なのか、8月中旬にならないと蝉しぐれにはならないような気がします。蝉の写真がほとんど撮れなかったので、「水」の写真でも。海の波もダイナミックでいいのですが、池や小川の静かな水面に広がるアメンボの作った波紋がいいですね。真夏の緑陰の下で広がる、ありふれているけど、二度と同じ模様になることはない水の変幻自在の形に暫し見とれていました。長い夏を何とか涼しい気持ちになる機会を選んで凌ぎましょうか。(EOS 5D3)
 
 ちょっとばかり、戯言でも・・・。昨日は土用の丑の日でうなぎがよく売れたそうな。うなぎが国際自然保護連合で絶滅危惧種に先日指定されたばかりだ。今年は稚魚が多く獲れたので、ひと安心みたいな声もある。しかし、日本人は世界のうなぎの7割を食い尽くしている。クロマグロも3割弱は日本人の胃袋に収まっている。
 昔はこれほどうなぎは身近な食べ物ではなかった。言ってみれば「晴れ」の食事で、年に1回かそれ以下で、ちゃんとしたところで気取って食べればいいはずのものが、ファストフード店で安く食べられたり、スーパーで買えるシロモノになったことが、そもそも間違っている、とジジィは言いたい。商売をしている人には申し訳ないが、ごくたまに財布を叩いて食する程度だから、うまいし、ありがたい。年がら年中、そこそこの値段で食える環境がどんなに異常なことかを日本人はよく考えるべきだ。完全養殖ができれば問題はないだろう、という発想もおかしい。食の豊かさというものは、食べたいものを好きな時に好きなだけ食べられる、ということではないはず。
 和食が無形文化遺産に登録されたが、日本人はこれまでどれだけ和食を見捨ててきたか、その辺も含めてよく考えた方がいい。高度経済成長期に育った私などは、田舎暮らしではあったものの、カレーやハンバーグなど家庭料理も洋食化していった。今さら元に戻ることはできないが、高級料亭で食べるようなものではなくても、夕食の一品に冷奴でもいいから食べてみるといい。絹ごしを湯通ししてさますと少し締まっていい。薬味は刻んだネギ、ミョウガ、オオバなど好みに応じて、ちょこっと盛り、生醤油を数滴たらして食べたい。ちょっとしたひと手間に贅沢な時間と味を求めるのが、褻にも晴れにも和食というものだろう。


小川の静かな流れの中に一匹のアメンボが波紋を広げた


ごくごく小さな出来事ではあるけど、真夏の昼寝の夢にでも出てくるだろうか


いろいろな波紋が重なり合って、川面の水は揺らぎ、夏を彩る


少しは大きな波にもなって水の流れにリズムをつける


鯉たちが流れの速度に合わせてゆらゆらと同じ場所を泳いでいる

水ゆらぎ 空も見えたり 夏木立