2015年05月28日

江戸東京博物館

 このところ、江戸物尽くしとなっていますが、極め付きは両国の「江戸東京博物館」でしょう。なかなか訪問する機会がなかったのですが、ようやく実現しました。ここは概ね大きく江戸と明治以降の東京のふたつのエリアに分かれていますが、実物大再現建造物が同じ空間にあるため、江戸と明治の不思議な光景を目にすることができます。
 ただ、私が最も気に入っているのは、江戸の町人たちのミニチュア人形です。江戸の賑わう町の様子を家並みとともに無数に配置され、さまざまな動きを表現したその様子は浮世絵の世界そのものです。備え付けの双眼鏡もあり、遠くの細かいミニチュアを見ていくことができますが、私の眼鏡には合わないため、次回は自分のを持って行きたいと思ってます。何しろ一日ではそれらを見尽すことは不可能。「江戸名所図会」の人物像を一人ひとり見るのと同じように、見飽きることがありません。
 他の展示物も興味深いものはありますが、江戸の町人文化関係のみだけを重点的に見て、幕府や明治以降はほぼスルーしました。それぞれに興味の対象が異なるでしょうから、それらを受け止めてくれる博物館になっているのが、さすが金持ち東京都の施設です。(EOS 5D3)

高床式の倉をイメージしたというやたら大きい建物だ
建築物としての出来は、最低の方だろう
ロゴの横のシンボルマークは東洲斎写楽の役者絵の目をイメージしている

常設展示場には日本橋を半分再現してある
杭柱には手斧(ちょうな)の跡が美しく施されている

日本橋付近の町人の賑わいを再現してある
ひとつひとつのミニチュアがよく出来ている

商人の若旦那もいれば、お侍も結構歩いている

日本橋は多くの人が行き交っている

こちらは両国橋の西側にある火災延焼除けの広場、両国広小路で、普段は江戸で最も賑わう盛り場だ
仮設の寿司や天ぷらを売る店や屋台、見世物小屋がひしめき、人で溢れる

寿司屋を再現した屋台だ にぎり寿司はかなり大きい

これはそば屋の屋台で担いで移動した
構造を見ると実に機能的で無駄がない
ちなみに「二八」はそばの値段が語呂で十六文だった時期からの名残りらしいが真相は不明

実際にあった浮世絵や本を売る店先の一部が再現されている

現在の歌舞伎座に通じる芝居小屋の入口を再現した
こうして俯瞰して見るとミニチュアと錯覚する

歌舞伎の一場面で、三浦屋揚巻という花魁を実物大に作ってある

他にもいろいろ撮ったがここまでとしよう
この贅沢すぎるほどの博物館の存在自体が今の東京の繁栄を象徴しているのかもしれない

今むかし 東京に行って 江戸に行く