2015年10月08日

神無月・寒露

 温帯低気圧に変わった台風23号の影響で関東南部も風がやや強いものの良い天気になっています。昨年の10月はもっと暑かったように記憶していますが、今年はすでに、朝方は少し寒くなり始めました。今日は二十四節気の寒露。草木の葉に露が付くような寒さになるころで、本格的な秋の深まりを感じるころということです。(EOS 5D3)

 9月の安保法案強行採決から何だか国民はもやもやしたものが、ずっと漂っている感があります。テレビなどマスメディアではラグビーワールドカップの日本代表が初めて2勝目をあげたこと、ノーベル医学生理学賞・物理学賞では日本人に受賞が決まったことなど祝賀ムードに酔いたい流れにいます。
 そんな中で始まったマイナンバー制度。以前には国民総背番号制とかグリーンカードなどと浮かんでは消えた制度が、民主党政権時代に着手されたものが自民党に政権が復帰したドサクサに法制化され、国民に詳しく制度を知らせることもなく、国民が気がついたときには、施行することが決まっていたという、これも何だか卑怯なやり方で成立してきました。
 昨年度と今年度で約2200億円ものシステム開発やPR費用に国民の税金をつぎ込んでいるといわれ、年間300億円のシステム運用費がかかるという。しかも、マイナンバー制度に伴って廃止される住民基本台帳(住基)カードシステムには1500億円を使い、5%の普及率だったとのこと。これから送られてくるマイナンバーの通知カードは紙に印刷された番号だけでプラスチックのカードにするには、任意ですが、同封の書類に顔写真を貼って申請し、ICチップの埋め込まれた「個人番号カード」が来年1月以降に送られてくるという手順です。
 一番問題なのは、以前にも書きましたが、国民には何のメリットもないということです。行政手続きが簡素化され便利になるとかいいますが、年金の手続きなど一生に一度か二度でしょう。引越しだって、毎月引越しするわけもないし、そんな手続きの簡素化は現行のシステムを少し見直せば可能なはずです。そんなくだらない、滅多に使わない便利さに2000億円以上もかけますか?すでに「マイナンバー詐欺」も横行し、会社や管理委託会社から確実に漏れるであろうこの個人情報はハッカーと公安の好物になります。
 そして、やはり、正式名称である「社会保障・税番号制度」の本音であるところの社会保障費の削減と税金の効率的かつ効果的な徴収が目的だと思います。個人の銀行口座にすべてマイナンバーが付番され、個人の各金融資産が推定1700兆円あるといわれる金額を網羅できれば、これまで一律だった医療費の個人負担割合を金融資産額に応じて、3割負担を5割負担にしたり、厚生年金や国民年金も保険料支払い月数に応じた年金額が金融資産額が多ければ減額される可能性があります。介護保険制度、障がい者福祉制度、雇用保険制度なども減額される場合もあるでしょう。
 これら社会保障費は国家予算の3分の1もあり、平成27年度当初予算で、31兆5207億円にもなります。国はこれを削減したくてたまらないはずです。国債の返済金も24.3%、23兆4507億円もあり、これも早く減らしたいでしょう。防衛省の予算は今年度5兆円弱なんですが、一気に増やせる見込みがありますね。国民はただ取られてはたまらないと、預貯金を株式投資に向かわせ、お金を市場に放出させる効果もあるでしょう。ただし、超金持ちは日本の口座に金を置いておくわけはなく、海外の銀行やその他税逃れのための方策はとっくに用意しているでしょう。
 この国は国民を必ず騙すということがわかってきました。個人というものは数字だけのものであり、国民主権などというものは、憲法上に書かれた絵空事であり、第9条を含め次々と日本国憲法を無視していく国家優先の時代に確実に突入したのだと感じます。第三次安倍内閣が発足し、安倍さんは「一億総活躍社会」とかいう、わけのわからない「一億総火の玉」のような国家総動員法を連想させるキャッチフレーズを連発していました。お金も命も国家のために、すべて捧げる時代が再び訪れる予感がますます現実味を帯びている今日このごろではあります。

いつもの公園にコスモスが咲いていた

ノギクが可憐な姿を見せていた

エノコログサが秋風にたなびいていた

横須賀を母港とする原子力空母ジョージ・ワシントンが退役し、
同じくロナルド・レーガンが今月1日から交代し、入港した
福島第一原発の原子炉2基を積み込んだようなものだ
あたかも安保法案の成立を見越したかのような配備だ
艦載機のスーパーホーネットが連日厚木基地(大和市・綾瀬市)上空を飛び交う

この彩色したものはキャプテンとかなのだろうか

合間に自衛隊機の対潜哨戒機P−3Cがコスモスの花を揺らす

基地が見える公園で老夫婦に付き添う愛犬

秋風に 心もそぞろ 日も寒露