2015年12月18日

浅草寺・納めの観音歳の市

 浅草の年末の風物詩といったらこれしかない。毎月18日が浅草観音の縁日だが、年末の今日の縁日は、歳の市として江戸の世から最も賑わう日だ。正月を前にいろいろと縁起を担いで神棚やしめ飾りなどを買い求めた。羽子板も羽根が災いを「はねのける」ということで喜ばれ、羽子板が中心となり、羽子板市として多くの店を出すようになった。また、歌舞伎が人気であったことから羽子板に歌舞伎役者の押絵を取り付けたことが評判を呼び、錦絵とともにブロマイドの役目を果たすようになったという。
 今日はその歌舞伎の宣伝も兼ねて新春に浅草公会堂で行われる公演に出演する役者さんたちが自分の姿を描いた羽子板を持って市に現れるとあって賑やかさ、華やかさを増していた。外国人もいっぱいいるのだが、こういう江戸の賑わいを疑似体験することができる浅草寺の年中行事は、やはり、楽しい。できるだけ、ずっと続けてほしいものだ。(EOS 5D3)

いかにも歌舞伎という感じの獅子を立体的に作りこんだ羽子板

まずは、銀座線で終点浅草に到着
このレトロな装飾がうれしい

相変わらず雷門は自撮り記念撮影の人々であふれる

仲見世も賑やか
日本人はどこにいる?


毎月18日の縁日のときだけ
この提灯と旗(仏旗)が掲げられる

正月を迎えるための、めでたい飾りでいっぱいだ

仲見世、参道というのは神社へお参りするまで盛り上げてくれる

人の流れに押されながら、ようやく宝蔵門前まで来る

「魚がし」の文字が粋でいい

五重塔周辺に羽子板の市は立っている
ここは新春歌舞伎公演の役者さんの羽子板が飾ってある

イチョウがまだ散らずに鮮やかに輝いている

やはり、今年のシンボルを見つけた

この職人さんは以前訪れたときにもいた

飾りの羽根も華やかでいい

もはや実用性はない

五重塔にもかぶせて

歌舞伎の役者さんたちが揃った
左から、中村隼人、坂東新悟、坂東己之助、中村米吉、そして、中村錦之助

あ、ここにも今年の人気者が・・・
グランプリファイナル用には間に合わなかったようだ

ずらっと並ぶと壮観だ

昔ながらの江戸凧も売っている

子どものころ、こんな上等ではないが武者絵の凧を揚げたことがある

お姉さんの愛想がいい

立派なものは10万円から30万円する

このくらいで3万円前後だ
もちろん値引き交渉も楽しみのひとつ

羽子板市を離れて周辺の見物だ
外国の人も煙を浴びるのを真似している

仲見世の人形焼の実演販売は名物だ

伝法院通りには懐かしいチンドン屋さんがいた
チャプリン風なのが浅草らしい

こちらは女性のチンドン屋さん

浅草公会堂前に芸能に貢献した人の手形がいっぱいある
この年配の方はファンなのかもしれない


冬の陽を浴びて眩しく輝いている


新仲見世のアーケードにも往年のアイドルやスターたちが並ぶ


江戸自慢三十六興「浅草年之市」(豊国、広重画:国立国会図書館蔵)
江戸でも暗くなっても市は大勢の人で賑わっていた


最後に雷門前にある浅草文化観光センターから
江戸名所図会に出てきそうな構図だ

他のビルに囲まれても存在感があっていい

江戸の世も 今も年の瀬 祈り込め