2015年12月29日

築地・最後の師走

 今年の撮り納めはここと決めていました。10月にも一度来ましたが、築地市場が魚河岸として迎える最後の年の瀬ということで、ここしかありません。日本橋が魚河岸として江戸初期から300年ほど続き、関東大震災の後、築地に移転し、80年が経過しました。そして、いよいよ来年11月からは豊洲に魚河岸が再度移転することとなり、今の築地市場は幕を閉じます。来年の師走にこの風景はすでに見られません。
 今回は、時間も少し早目に来て、年末ということもあり、もっとも賑わう最後の築地を見ておきたいと暗いうちに家を出ました。おおざっぱに、全体的な様子を捉えたもの、名物のターレと小車、魚河岸の華・マグロ、働く男たち、いろいろな魚介類、そして、活躍する帳場さんなどの他に青果部(やっちゃば)の様子も少し、場外の賑わいも紹介しています。
 今後、築地はどう変わっていくのか、豊洲は築地のような賑わいを獲得できるのか、気になりますが、いずれもがそれぞれに特徴のある地域になっていくことを期待しています。(EOS 5D3)

水産物部の売り場から
こうした大きな看板がいい

だんだん人が増えてくる

背負っての竹籠はめずらしい
ふつうは手提げの竹籠だ

この築地独特のカーブを持った建物も見納めが近い

市場の名物、ターレ
狭いところを頻繁に行き交うので、歩行者はうまく避けねばならない

これは小車、これも狭いところをたくさん荷物を運ぶのに適している

ターレの気配がしたら、さっと退かないと怒られる

小車が静かに休んで出番を待つ

ターレと小車と人がごちゃごちゃだ
しかし、滅多なことではぶつからない

この小車も年季が入っている
真新しい小車は見たことがない

路上も走るのでナンバーが付いている

とにかく、市場はターレだらけである

築地の華は、やはりマグロだ
順次、捌かれていく

冷凍の固まりでも売っている

小分けのサクに捌かれる

8時台では、競り落とされた、捌かれる前のマグロにお目にかかれる

これは銚子沖のもののようだ

とにかく、マグロだらけだ

これは何と以前、訪れた京都の伊根港から来たものだ

これが人間だったら、バラバラ殺人現場だ

結構、無造作に冷凍、生のマグロがごろんごろん、している

これは遥か、メキシコからのもの

頭部がバケツに放り込まれている
これも後で食べられる部分を削ぎ落すのだろう

やはり、築地は男の職場、そして、女が帳場で支える

高齢の人が多くなっている

お兄さんが頭部を懸命に捌いている

「年が明けたら、もう、やめだな」という声がどこかで聞こえた

いろいろと帳簿も付けているのだろう

若い人たちは威勢がいい

男の帳場さんだろうか

小型の冷凍庫から次々とマグロを取り出している

素人のおばちゃんにも親切だ

クルマエビが跳ねていた

かなりの年配のご主人が帳箱で休んでいる

いろいろな食材がある
正月用のタコだろうか

フグの白子にキンキだ

これはミル貝だろうか、ハマグリもある

これもマグロなのか

タイがぞろぞろ

わ、毛ガニだ

ウマヅラだろう

ここにもタイがあふれている

魚河岸を支える帳箱の帳場さんは、ほぼ女性が担っている

伝票と電卓でどんどんと処理していく

この狭い場所に遅ければ11時近くまで缶詰だ

男がいい仕事ができるのも彼女らのお蔭だ

伝票の整理はとにかく大変そうだ

築地の床面には石畳になっている通路がある

老朽化の著しい機器類は、やはり、限界だろう

名物のひとつ、発泡スチロールはどこまでも高く積まれる

構造上の関係か、低い通路がある

古めかしい時計が引っ掛けてある

発泡スチロールの処分場が別にあるが、とりあえず、こうなる

初めて、青果部に行ってみた、やっちゃばである
大田市場がやっちゃばで有名だが、築地にもある

水産物部と違って、人は少なく静かだ

くだものも色々とある

ワサビやシイタケが立派だ

バラでも売っているようだ

これはゴボウだ

店舗数も面積も小さい

ここは段ボールが主役だ

ターレを使うのはいっしょである

売り場から離れて場内の寿司店などを見学する
以前はこれほどまでには並ぶことはなかった

魚がし横丁はこうして人でいっぱいになっていた

何しろ人であふれている

場外の店舗
狭い通路を抜けるのがたいへんだ

ここは漬物屋さんだ

正月用の練物だろうか

くじらの加工品が多い
店番の女の子の愛想がよかった

実用的な陶磁器類が多く売られている

豆なら何でもござれ

新巻鮭は辛いのが好きだ

人であふれかえる街が江戸らしくていい

さまざまな削り節がある

冷やかしでも人が多いのはいいことだ

つくだ煮と煮豆で繁盛

和食用の雑貨であふれている

円正寺まで来ると人が空いてくる

すぐ近くが築地本願寺、お参りしておいた

師走朝 賑わう河岸も 今年まで