2016年04月24日

刻み煙草入れ

 お天気も雨気味であり、足の調子も芳しくならず、家にこもり状態です。こういうときは写真を撮りたい気持ちが醸造されていきます。せめてもの慰みに、マクロレンズを使ってブツ(物)撮りでもします。妻の祖父が愛用していた刻み煙草入れを撮りました。
 神田生まれの祖父は、昼は経理の仕事をし、家では、粋な手拭いを合わせて作った浴衣を着て、夏でも熱燗を一合だけいただき、煙管(きせる)で煙草を吸うという江戸っ子そのものだったとのこと。高さ8センチ余りの精緻な猿の頭部をかたどった刻み煙草入れは見事な品物だと感じます。両手を耳に当てている姿は、聞かざる(猿)ということでしょう。ということは、見ざると言わざるもあったのでしょうか。しかし、顔がよくわかる聞かざるが最も造形上絵になるため、これだけかもしれません。容器の底に「国光」という銘が彫ってありますが、ネットで調べてもよくわかりません。鑑定団的な「お宝」かどうかはともかく、我が家の唯一の骨董品ですので、家宝には違いありません。(EOS 5D3)

針の穴ほどの象嵌された目が鋭い

紐がダメになったので似たものに替えた
紐の先には根付がある

どうやらハッピでも着ている姿なのか
背中の紐の付いた棒の意味が不明だ

横から見たところ

蓋である頭を外すと容器であることがわかる

2センチほどの根付も猿になっている

底には「国光」と彫られているが、
果たして鑑定やいかに!

江戸の世を 形見の品で 今まみえ