2016年06月10日
梅雨の晴れ間
なかなか出歩くことができないため、自宅ベランダから空でも撮ります。蒸し暑くなった梅雨の晴れ間の週末、陽射しが痛そうですね。今日は、旧暦では5月6日となります。江戸では、5月5日の端午の節句の夜か、明けた6日朝に菖蒲湯に入ることになります。実際、今の時期に咲いている花菖蒲や杜若などアヤメ科の華やかな花のあるものとは別で、菖蒲はサトイモ科の植物だそうです。菖蒲の花は、ガマの穂のような房状のもので、花として鑑賞するには無理があります。古い商家では今でも、端午の節句には、菖蒲と蓬(よもぎ)の葉を束ねて、火災よけに軒先に並べる「軒菖蒲」で客を迎えます。
歌川国貞の錦絵で、「五節句ノ内 皐月」では、菖蒲湯につかる女性たちを色っぽく描いています。建物の内側でしょうが、軒菖蒲が飾られています。湯船の外には、菖蒲湯に使われて落とした菖蒲も見えます。なかなか楽しい世界です。旧暦のタイミングで日本の四季を追っていくと、ちょっと楽しく新鮮ですよ。(EOS 5D3)
陽射しが強く感じる梅雨の晴れ間
歌川国貞画「五節句ノ内 皐月」(国立国会図書館蔵)(筆者一部画像加工し、3枚原本を1枚に)
右:菖蒲湯につかる女性と湯を運ぶ女性、軒に菖蒲、床には散らばった使用済みの菖蒲
中央:湯から上がった女性が、口にぬか袋(せっけん)を咥えながら、手拭いで足を拭く
小娘が水の入った鉢を持ち、手拭いを洗うか待っている
左:風呂場の様子を外から眺め、「これから私も入ってみたいわ」とお嬢様風の女性
梅雨晴れ間 菖蒲湯つかる 江戸の世は
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