2016年07月08日

不安な時間

 蒸し暑く、外で撮影する気力もない。でもカメラはさわっていたい。こういうときは家でマクロ撮影になる。ブツ撮りである。以前作製したアルミ板製の恐竜があったので撮ってみた。ステゴサウルスを最初に作ったが、やはり、恐竜はティラノサウルスが一番なので、後日取り寄せて作ったのだった。
 さて、ティラノサウルスは白亜紀末期に他の恐竜とともに絶滅してしまったが、人間界では復活した勢力がその牙を剥き出しにしようとしている前夜と言える。今、時代の変わり目となる不安な時間を過ごしていると感じる。参議院選挙が明後日7月10日に実施される。自民党与党は、参議院においても議席の3分の2以上を与党および改憲派が占める見込みで、いよいよその憲法改正への野望を実現しようとしている。
 民進党はじめ野党は、まったく野党としての機能を果たさず、ただただ、「安保法廃止」「憲法改正反対」「アベノミクス失敗」とネガティブ・キャンペーンを繰り返すのみだ。保育士の給料を5万円アップするなら、どう具体的な財源対策や待機児童対策案があるのかが見えてこない。
 今回から18歳、19歳の若者へ選挙権が与えられ、新たな選挙の歴史がスタートする。まだ一部かもしれないが、彼らは初めての体験の中で各党の政策や選挙活動をよく観察しており、どの政党が自分たちの将来を託すに値するか、かなり考えているようだ。真面目な彼らが判断していくと、批判ばかりして内容のある政策を訴えない野党は、選択肢から外される可能性が強くなっている。たった2%の新たな票ではあるが、今後につながる大きな票でもあり、野党の戦術が失敗する可能性が大きくなっている。
 若者たちは、過去のいきさつは知らない。ダメな野党でも票を入れるような批判的な思考や情緒的判断はなく、現実の利益を得やすい選択をしてしまうのだろう。つまり、自民党の圧勝に終わる可能性が高くなってきた。安倍政権の野望が実現化されるのを間近で見ることになりそうだ。「解釈改憲」がホップで、「安保関連法案採決」がステップであり、「憲法改正発議」が最終的なジャンプとなろうとしている。経済政策も頓挫しており、女性の活躍する社会の実現もうわべだけで実がないことは、この3年余りでよくわかってきている。安倍さんは、「憲法を改正する」この一点に本気で突き進んできたのであり、他の政策はどうでもいいのだ。
 参議院選挙では、イギリスの国民投票のように国の方向が180度ひっくり返ることはないので、「現政権にNO」と突きつければいい。野党が成熟しない間は、自民党政権が日本をリードするのはやむを得ないとしても、暴走は許さない、という意思表示が今国民に求められていると強く感じる。さもないと憲法改正の国民投票に持ち込まれる事態になれば、イギリスのように世の中は一変して国民は悪夢を現実のものとして、受け止めるしかなくなる。これだけは避けたい。(EOS 5D3)

金属製の恐竜は意外とかっこいいが、
本物は今の時代にはいてほしくないかな

鋭い歯と顎で獲物を噛み砕く

人の世は ままならぬこと のみばかり