2016年08月17日

八日目の蝉

 台風7号は太平洋沿岸を北上し、一夜明け、関東は台風一過の晴れとなり、再び猛暑が戻ってきた。暑さは堪えるが、清々しい青空のもと隣り町まで撮影に行った。木々が茂る公園では、今が盛りと蝉の大合唱が聞かれる。多数のアブラゼミが主にベース音で鳴き、ミンミンゼミが暑苦しさを盛り上げ、ツクツクボウシが少し涼感のある合いの手を入れる。自宅マンションのベランダや廊下には、成虫としての蝉の役割を終えた八日目の蝉が何匹か転がっている。中には触れると、ジジっと声を上げ、飛び立つものもいる。しかし、ほとんどの蝉は亡骸だ。
 オリンピックにはさほど興味はないが、それでもテレビから否が応でも伝わってくる。多くのスポーツ選手は日本の場合、旬の時期を過ぎれば、収入の道も閉ざされ、長い八日目以降の人生を過ごさねばならない。自分の夢を実現できたものは、それなりに道も残されるかもしれないが、多くは厳しい後半生となるのではないか。国民に夢を与える選手たちの夢のない現実が待っている。
 アメリカはすべてがビジネスで金儲けのシステムが出来上がっているから、成功者は保障されることだろう。それも割り切ればいいのかもしれないが、もともとはアマチュアリズムとして出発した近代オリンピックがあまりにも金まみれになりすぎ、納得しきれないものがある。日本のスポーツ選手の人生は、もう少し報われてもいいようだ。八日目の蝉とならないためにも。(EOS 5D3)

相模原市麻溝公園
撮れたのはアブラゼミばかりだ

小動物園には牛もいる

クジャクが羽をつくろっている

やはり、アブラゼミだ

アライグマが日陰で昼寝の最中

アブラゼミのシンクロ・デュエット?

台風一過の空は秋めいていた

命駆け 七日限りの 空の下