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相変わらず、杖を一本突いて、家の周辺を少しばかり散歩する。夕べからの雨は次第に上がり、午後には青空が広がっていた。空には波状の雲が少しあった。子どものころ、周囲に何もない芝生畑に大の字に寝転んで、巻雲や波雲を眺めていたことがよくあった。空と流れる雲をじっと眺めていると、空は海となり、自分は空を飛んでいる錯覚に陥る。遥か眼下の雲海を見下ろしている浮遊感がたまらなく楽しかった。
ふと現実に戻ると、天地がひっくり返ったような一瞬のめまいのような幻惑を覚えたものだ。何もなかった子どものころには、多くの自然があり、多分に今より豊かな感性が残っていたのだろう。還暦を過ぎても子どものころのそんなどきどきしたものを忘れることはない。(Huawei
Y6) |
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