2017年04月14日

ちりぬるを

 春の青空は冬とは違い、どこか霞んでいる。春霞というほどのものではないが、濃い青空ではなく遠く丹沢連山は霞んで見える。桜がまだがんばってこの青空の下に輝きを見せていた。車で最後の桜を自宅近郊の名所を妻とともに見て回った。
 テレビ朝日で4月から放送中の「やすらぎの郷」というシニア向けとされる昼のドラマを見始めた。これがなかなか面白い。脚本倉本聰、主演石坂浩二のほか浅丘ルリ子、加賀まりこ、八千草薫などなど錚々たる往年の俳優、女優が目白押しだ。かつてテレビや映画で活躍した関係者を招き無料で住まわせる老人ホームが舞台だ。女優らは本人らしい役そのものがはまっていて、かつての彼ら彼女らを知っている私たちの世代には懐かしさでいっぱいである。石坂浩二の渋く滑稽な役の演技はさすがで見ていて安心感がある。
 現在のテレビに対する批判も混じっていたり、味わい深く、久しぶりに本物の役者たちの演じるドラマを見ている楽しさを覚える。私たちが見たいテレビ番組がなくなり、シニアとなった団塊の世代が主流を占める現代には、要望もあって、こうしたテレビ番組が作られ始めているのだろう。お笑い芸人やジャニーズ、アイドルタレントがどの番組にも出ているテレビには辟易としていたから、この「やすらぎの郷」はこうした高齢者層への「やすらぎ」のサービスなのだろう。昔神田界隈では神田出身の加賀まりこがデビューしたときは、「お母さんはきれいなのにあんな娘が女優とはね」と散々の評判だったとのこと。
 散った桜で敷き詰められた小道をともに老いつつある妻と親の出身の神田の話をしながら歩み、家では録画した「やすらぎの郷」を楽しみにする今日このごろである。(EOS 5D3)

神奈川県座間市かにが沢公園のソメイヨシノ
花びらが散り始めている

同じくかにが沢公園の桜並木の向かい側にあるマンションと公園

大和市厚木基地近くの桜の森も散り始めていた

シバザクラが向こうに咲いている

やすらぎの ときを過ごせば 永久(とわ)の春