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4日の午前1時前の月が今年最大の満月、スーパームーンだったそうだ。そんな時間に写真など撮っているわけがない。今夜午後7時すぎに撮ってみた。東の空の低い位置から顔を出した。無論、地平線は見えないため、近くのマンションの屋上を超えたところから見え始めた。今夜は居待月(いまちづき)という。江戸時代の庶民は月を愛でる習慣が現代よりも豊かであり、高輪は月見の名所だった。立って待つには長すぎるため、座って待つから、という意味らしい。
私が子どものころはまだ近くに街灯もない地域だったため、満月の夜はかなり明るく感じたものだ。空気もまだ澄んでいて、月明りで影ができるほどだった。夜でも明るく辺りを照らす月は、電気のない時代にはもっと貴重な時間であり、楽しみの時間でもあったのだろう。豊かさの物差しが大きくできていたのかもしれない。ごくありふれた小さな出来事に幸せなひとときを感じることができるのは、心の目盛りが大きくなければできないものだと思う。今夜の月はそんなことを感じさせてくれた。(EOS
5D3) |
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