2017年12月18日

浅草の師走・羽子板市

 歳の市に来るのも2年ぶりである。浅草の年の瀬は、羽子板市で盛り上がる。一年中、外国人観光客でも賑わう浅草寺だが、このときはより一層人が出ている気がする。仲見世はすっかり新年の装いになり、花もちや縁起物の飾りつけが華やかさを演出している。羽子板市では、以前見かけた現役の歌舞伎役者さんの板がなかったのは少し残念であった。果たして今年の売り上げはどうであろうか。世間では景気が上向いているとのことだが、一般庶民にはやはり実感が伴っていない。
 バブル時代の象徴、マハラジャが復活したり、株価が2万3000円近くまで上昇しているが、我々、少なくとも私は1980年代のバブルの実感も恩恵も受けていないように、現在の疑似バブルにも何の恩恵も受けていない。敢えてプラス面を言うなら、「何とか生活はできている」ということぐらいだ。それでよしとすれば、十分幸せであり、世の中が浮かれようとしているフリに無理についていく必要もないのだろう。
 量子コンピュータが予想よりも早く実現し、実用化されれば、まったく異なる世界に突入すると言われており、そこに人間の幸福が存在するかどうかも危ぶまれる次元になるのかもしれない。人が存在することに価値が残されているのか、そんな哲学的な問題を真正面に突きつけられている時代に我々は生きていかねばならない。寒さがきついと感じる浅草の空の下で、今を平凡に私なりに生きて、楽しんでいたのだった。(EOS 5D3)

雷門から宝蔵門にかけて、こうした正月の飾りつけがされる
今日は、年の瀬の18日、納めの観音、歳の市だ

地下鉄銀座線を降りると、雰囲気が変わっていた
レンガ張りのレトロな八角の柱がなくなり、朱塗りの円柱になってしまった
老朽化した銀座線の駅の改修はやむを得ない

雷門では常に多くの人が記念写真を撮っている

仲見世に入ると華やかな飾りつけに目を奪われる

役者柄の中に変なのがひとつ混じっている

実用ではない飾りの羽根が吊るされていた

勧進帳、弁慶富樫の歌舞伎十八番だ

若い赤の獅子もいい

こちらではお手軽なのもありますよ、とにっこり

来年の戌年にちなんで豪華な衣装でインスタか年賀状か
ワンコもご主人の言うことをきいてえらい

三社様、浅草神社に行ったら、着物姿の女性に写真を撮ってくれと頼まれた
流暢な英語なので詳細はわからないがスマホを渡され、何枚か撮った
図々しく、私のカメラでも撮らせてと頼んでみたのだった
おそらく、香港からのお客さんだろう

本堂・観音堂の扁額と大提灯を脇から

境内を掃除している人の道具、後ろには山茶花

江戸凧専門の出店もあった

賑わっている中にいるのが楽しい

五重塔手前から本堂近くまで羽子板の店が並ぶ

おみくじは外国の人も盛んに引き、結び付ける

本堂内から

本堂内に羽子板商組合から奉納された巨大な助六揚巻の羽子板がある

本堂から五重塔を望む
手前の方にも数件羽子板の店が出ている

境内を離れて伝法院通りに出た
歳の市の粋なポスターが貼ってある
絵は志村立美作

例によって浅草文化観光センターに登って浅草寺を一望する

浅草一丁目1番1号の神谷バー
創業明治13年

つい最近お色直ししたアサヒビールのオブジェ
意外とデコボコしていて完成度が低い

年の瀬を 何ごともなく 過ごしたし