2018年02月21日

明暗

 平昌五輪では、羽生結弦や小平奈緒が、そして、今夜は高木美帆率いる女子パシュートも金メダルを獲得し、日本でも大いに盛り上がっている。メダルを得た者がいれば、入賞もせず敗退した者もいる。それぞれの選手には、それぞれに背負ってきた重い荷物や思いがあり、全力を尽くし、メダルを目指して頑張ってきたことだろう。
 しかし、賞賛は勝った者だけに降り注ぎ、敗れ去った者は、いずれ見向きもされなくなる。まして、有力選手が入賞も逃した場合は大いに傷つくことだろう。世界から集まった選手は、トップレベルであり、ほんのわずかな差が結果として、メダルとなったり、そうでなかったりと明暗を分ける。そのわずかな差を生み出すために、文字どおり、血と汗と涙を流してきたわけだ。だから、金メダルの選手であろうと最下位の選手であろうと、オリンピックという共通の場にいたことを賞賛してあげたいものだ。
 ネットで罵詈雑言を浴びせ、選手の全人格をも否定するような行為はあっていいわけがない。今回は、一部ではあろうが、残念ながら主催国の韓国の人々にはがっかりさせられた。ネットやSNSがかくも発達し、安易に炎上することが増加しており、ネット利用者の良識が改めて問われることになった。
 そんな中で、スピードスケート女子500メートルで小平奈緒が金メダルを取り、3大会連続金メダルを目指した韓国のイサンファが銀メダルに終わったとき、泣き崩れるイ選手を小平が抱きかかえ、励ましの声を掛けたシーンは印象的だった。スポーツというのはこうした感動シーンを見られるのも醍醐味のひとつだ。スポーツ界のみならず、すべての人間界でそうありたいものだ。

 こちら大和市では平昌五輪が始まって間もないころから、上空に米軍のオスプレイが飛び交うようになった。宮城県王城寺原演習場での日米合同訓練のため、普天間から岩国経由でやってきている。大和市の厚木基地には機体整備等のため、夕方から翌朝までいる。3月初めまで行われる訓練だそうだ。新聞などに報道されることもほとんどなく、こうした実績が積み上げられていく。平昌五輪後、米朝はどういう方向に向かうのかが注目される中、住民を完全に無視した訓練が粛々と続けられる。解決策が見いだせないまま、軍備だけが増強していく東アジアの現状が我が家のベランダから感じられる。(EOS 5D3)

醜い機体を重そうにして着陸態勢に入る

人口密集地域の上空を飛ぶ

人口密度8600人余は県内では川崎市に次いでの過密さだ

人の世は かくも悲しく 愛おしい