2018年03月21日

雪中彼岸

 せっかくのお彼岸の中日である休日に雪となってしまった。東京や神奈川もソメイヨシノの開花宣言がされたというのに、足元の危うい私には「外出禁止令」が出される。”愛する妻”から当然のごとく、「こういう日に写真を撮るカメジィがいるのよね」と先制攻撃を受ける。戦う前に負けている。カーリング娘のように「そだねー!」と同意するしかない。
 咲き始めの桜に掛かる彼岸の雪など最高の絵ではないか。それを諦めるのは忍びないが、他のジジィーが百万人ぐらい撮っているだろう、と自分を慰める。せめて自宅からそっと、降りしきるいっときの雪を撮るしかなかった。これも人生のいくつかある選択肢のひとつを選んだ自分の決断だ。
 先日、学生時代からの親友に久しぶりに会った。キャリアカウンセラーをしている彼は、相談依頼者に対しては、彼自身が鏡であることに徹しているという。依頼者が何をすべきか、本人に映って見えるように、自ら決断することをさりげなく促す鏡になるのだという。アドバイスとか指導は必要ない。人生の中で人は何度も右か左かの決断を連続でしてきて今がある。今の自分は結局、自分自身が決めてきた人生の常に最終形であり、と同時にその途中なのだと改めて理解した。いい友人を持ったと改めて思う日々だ。人生は当たり前だが、生ある限り続き、選択の余地がまだまだある、と思いたい。(EOS 5D3)

思ったより、激しく降りしきる雪だ

部屋のガラス越しに桜を思い浮かべ、撮る、しかない

彼岸雪 迷う道にも 花ひとつ