2018年06月17日

佐藤錦と梅

 山形のサクランボ佐藤錦も安価で近所のスーパーにも出回るようになった。もちろん、デパートや千疋屋で売っているようなものは手が出ない。手が出るスーパーの佐藤錦で庶民は十分だ。値段が30倍高いからといって、味も30倍うまいわけではなかろう。ささやかなプチ贅沢の範囲で味わうのがいい。太宰治の「桜桃」で「桜桃を、極めてまずそうに食べては種を吐はき、食べては種を吐き、食べては種を吐き、」と鬱屈したものを吐き出すような表現が印象的だった。6月19日は「桜桃忌」、サクランボは楽しく食べていたいものだ。
 南高梅を昨日購入してから、追熟している最中で日中は扉を開け放って、風通しをよくし、熟するのを待っている。やや甘い香りが漂うようになってきた。こまめにチェックし、カビが生えていないか、変色はしていないか、丁寧に見守っている。季節のものをその旬にいただき、梅のようにその季節の作業をするのが、日本の風土に合った自然な生活だと思う。気力、体力が続く限り、梅仕事は年中行事にしておきたい。優れた小説を残せたからといって、不幸な人生を背負い込んでは、元も子もない。やはり、この季節、庶民は安いサクランボを家族で楽しく食べ、梅干しを作るのが一番だ。(EOS 5D3)

艶やなかサクランボの表面が好きだ
自然のなす宝石を口に入れる

少しばかり熟成して、黄色味がましてきたようだ
明後日の午前中には漬け込むタイミングになりそうだ

桜桃の 光り魅せられ 歯に当てり
梅の実の 香り漂う 梅雨晴れ間