2018年10月10日

鎌倉・異変の秋

 9月に北鎌倉を訪れたときは、今年も何とか紅葉は期待できそうだと感じていた。しかし、その後、台風24号の強風によりやや内陸(海岸から20Km)の大和市も塩害による樹木の被害が出ている。そして、再び訪れた鎌倉では相当な被害でカエデ類の多くが、枯れて散ってしまったか、茶色に変色した状態で葉を残している。木によって差はあるのだろうが、例年11月下旬から12月上旬が見頃の紅葉は、かなり厳しい状況が予想される。
 今日は朝から車で鎌倉駅から少し奥まった扇ガ谷にある海蔵寺にまず行ってみた。お寺の前の道や小川に散っていた枯れ葉は、カエデだった。いつもこの付近を紅葉シーズンに彩ってくれるカエデたちだ。近所の女性が落ち葉を掃いており、声を掛けると「塩害ですよ、残念ですね」とカメラを持っている私を慰めてくれた。昨年の紅葉時もやや塩害が見られたが今年は何年かぶりで最悪の状況だと思われる。しかし、海に近い街は常にそうした環境の中で人々は暮らしており、物言わず、静かに戦っているのだ。どんな紅葉になろうと、そのときには再び訪れて、静かに見守ってあげたいものだ。(EOS 5D3)

扇ガ谷の海蔵寺
本堂の手前にはシオン(紫苑)が鮮やかに咲いている

海蔵寺手前の道路には掃かれたカエデの枯れ葉が山になっていた

多くの葉がこのように枯れて、縮まっている

赤く斑に紅葉してしまった葉もある

小川には、紅葉せず、枯れ落ちたカエデが溜まっていた

海蔵寺山門手前
部分的に紅葉してしまい、痛々しい限りだ

山門への階段脇は花がほとんど終えた萩の枝で覆われていた

芙蓉の花がまだ鮮やかに咲いている

芙蓉の花越しに本堂を眺める

本堂入口に書がある
多分「開井」と書かれているのだろう
井戸にゆかりのある寺なのだ
向こうには庭園と書院がある

紫苑が高く咲き誇り、鐘堂の屋根が向こうに見える

アオスジアゲハがほどよい色合いで留まってくれた

境内のカエデもかなり散っていいる

このままではこれからの紅葉は期待できそうにない

寺にゆかりの井戸が近くにある

「十六井戸」の名のとおり、4列4列で16ある

海蔵寺を離れて長谷方面に行ってみた
旧商家を利用したレストランだ

こちらも古い商家で炭の専門店
なぜかとぼけた金魚の張り子が風に揺れていた

江ノ電長谷駅前の古いポストとともに

裏道には昔ながらの板塀の家があったりする

長谷の光則寺に寄ってみた
山の木々も妙に紅葉してしまっている

由比ガ浜の海岸に出てみた
海はやはりいい
塩を運んでくるのは困るが、うまく付き合っていくしかない

波打ち際に貝殻が無数に打ち上げられている
遠くからの便りを運んできてくれたのだろうか

こんなヒトデもあった
鮮やかで妖しい

海辺の街はいい
「海街diary」と「最後から二番目の恋」を何となく思い出す

散り急ぐ かえでのひと葉 人もまた