2021年06月26日

お気に入り

 キッコーマンのしょうゆ卓上びんをずっと使い続けている。結婚して33年ほどだが、現在のは2本目だと思う。中味は他社の昆布しょうゆを入れて使用している。このしょうゆ差しは1961年に誕生し、50年も経過しているが現在では近くのスーパーで見かけることはないが、ネットで調べるとまだ販売はしているようだ。
 何しろ持ちやすいし、倒れにくく、液垂れしないという優れた機能性と洗練された形のデザインの美しさが他のしょうゆ差しを圧倒しており、どんなに遠くから見てもそれとわかる代物だ。2018年には国の「立体商標登録」もされている。これからもずっと使い続けていく我が家のお気に入りのひとつだ。(SONY a7R3)

 24日、西村宮内庁長官が天皇陛下はコロナ禍の中で「オリンピック・パラリンピックの開催が感染拡大につながらないか、ご懸念されている、ご心配であると拝察しています」と述べ、ただし、「陛下から直接そういうお言葉を聞いたことはない。そこは誤解ないようにおねがいします」とのことだ。この後段の「直接、聞いていない」が肝心な部分だ。ここを捉えて、加藤官房長官や菅首相は「(西村長官の)本人の見解を述べたと理解している」として、天皇自身の発言を聞いて引用したわけではない、ということだ。
 西村長官の発言を受け、米ワシントン・ポスト紙は、「東京五輪に日本の天皇から重大な不信任票」と天皇自身の発言のようなニュアンスになっている。天皇は憲法上、政治的介入は許されず、長官の「拝察」という表現がうまくぼかした形に収めたものであろう。
 一部メディアの言う「政治的メッセージを発した」とまではいかないギリギリの選択ではなかったのか、と思う。西村長官は警視総監も務めた警察官僚からの異例の人事であったが、政権とは深い関係があり、今回の発言は首相や官房長官も事前に了解済みのはずであろう。コロナ禍の東京五輪に反対の声が高い中で、このまま天皇陛下が「開会宣言」しなければならないのは、極めて不本意であろう。
 「日本国民統合の象徴」であり続けるには、開催する政府側への配慮と開催賛成反対のある一般国民の気持ちの両方を立てるため、斟酌した苦悩の結果だとするのが素直な見かただと感じる。天皇は「ワクチン接種が進んでいるとはいえ、未だコロナの感染者数が多いのも現状です。こうした中で多くの世界の人々が集う東京五輪が感染対策がなされ、無事に始まり、無事終了できるといいですね」といった具合の発言があったぐらいではないかと想像し、そういう意味で今回の西村長官のメッセージ発信は極めて適切な方法で行われた「拝察」発言だったと思う。

この卓上びんが登場する以前は、全部ガラス製の高級品っぽいものだったが、
「しょうゆ卓上びん」でほぼ置き換えられた

醤油差し これひと筋で 食事どき