2021年08月18日

いっときの晴れ間

 各地に長雨と豪雨をもたらし、九州などこの1週間だけで、年間降水量の半分に達している。27人の死者・行方不明者を出した7月の熱海伊豆山の大規模土石流の被害の記憶が新しい中で、この気候変動による災害が世界各地で頻発し、新型コロナウイルスもいっこうに終息の気配も見せない終末的な世界を呈している。
 そんな中で今朝はよく晴れるとの予報で、夕べ多めに洗った洗濯物を早朝からベランダに干した。しかし、思ったほど気温も上がらず、湿度が高いため、風はあるものの乾きにくい。午前中、かなり乾いたが一部を残して昼前に出かけた。すぐに用事は済むのだが、帰り際俄か豪雨に遭った。時間としては5分少しだろうが、周辺は一瞬で水浸しになった。案の定、残してあった洗濯物はびしょ濡れだ。結局はアイロン掛けになる。そんな天気がしばらく続きそうだ。(SONY a7R3)

 新型コロナウイルスは、デルタ株が主流になって猛威を振るっており、18日は全国で2万3917人の感染確認者数と過去最多、累計約120万7千人、死者数約1万5500人となっている。重症者数も過去最多の1716人だ。6月末の累計感染者数は約80万人だったので、2ヶ月弱で40万人増えたのだ。その前に40万人増えたのは、2月4日から6月末までで5ヶ月近くかかった。ものすごいスピードで増えている。特に毎日の全国感染者数が1万人を超えるようになったのは、7月29日(1万697人)からであり、オリンピック開催、夏休みの始まりと符合する。
 そんな感染大爆発の中、政府は20日から緊急事態宣言を茨城、栃木など7府県を加え、13都府県とし、来月12日まで延長するとのこと。こんな状況でも菅首相は「諸外国のロックダウンについて、感染対策の決め手とはならない」と言う。緊急事態宣言を乱発しておいて、どの口が言う、というお粗末さだ。自宅療養者数も8月11日時点で7万4000人と1ヶ月前の12倍に増えている。すでに災害規模だというのに、危機管理がまるでできていない。
 この1年半以上、この政府は何をしていたのか。ワクチン、治療薬が最終的に終息手段とはなるが、それまでの道のりの中で計画的にやるべきことをやってこなかった。検査、隔離、症状別の治療が基本であり、去年の段階でこのコロナとは長い戦いになることは見えていた。病床管理、コロナ関係の人材育成、非常時の臨時治療施設など含め、感染拡大させないための人の移動制限、私権制限など法的整備を議論し成立させる時間は充分にあったはずだ。先手先手と言いながら、後手後手どころか、GoToキャンペーンやオリンピック開催など逆の方向に突っ走ってしまった。経済を停滞させることをあまりにも恐れたため、虻蜂取らずで、感染防止も経済を守ることもできなかった。
 すべては政府の見通しの甘さにある。中国が去年2月に10日間で1000床のコロナ病棟を作ったのを半ば笑って見ていたが、今、そうした緊急な対応が日本には必要になっているのだ。もう宣言やメッセージだけではどうにもならない、そんな最終的な状況に陥ったのだ。首をすげ替えても意味がない。やるべきことをさっさとやればいいだけなのだ。もう時間がない。晴れるまで待つことはできない。

   朝のうちの晴れは期待させてくれたのだが・・・

いっときの 期待むなしく どしゃ降りに
宣言に つける薬も なくなりて