2022年01月07日

七草残雪

 そして、雪は積もり、路面は凍結し、今日午前中から雪に慣れない東京都内などでは事故やケガが相次いだ。スタッドレスタイヤもチェーンも装備していないため、私は車を運転するのを諦め、妻に電車と徒歩で午前中の用事を済ませてもらった。私はひたすら妻の無事と雪が溶けてくれるのを祈るばかりだった。情けないが一番賢明な選択であったようだ。
 大方の雪が溶けた午後になって、すべり止めの金具のついたスノーブーツを履き、恐る恐る近所を買い物ついでに散歩した。一日中、陽の当たらない側の歩道は凍ったままの雪があり、それを避けてゆっくりと歩いた。10日ごろにもまた雪が降るとの予想もあり、気が重くなる。
 子どものころの雪は楽しくてはしゃぎまわり、写真をやるようになってからは雪のある非日常の風景撮影にも出かけたが、今はただ雪が降れば溶けるのを待つばかりだ。そういえば今日は七草だ。七草がゆを食べたのはいつが最後だったか、思い出すこともできない。季節ごとの日本の家庭の風習がどんどんすたれていく。現実にそぐわないうえ、いまだ女性の家事負担の大きい日本の家庭では、わざわざ面倒なことはしないであろう。それはそれでいい。
 コロナは沖縄が1414人と過去最多となり、東京は922人と昨日(641人)より大幅に増えた。全国6214人と増え続けている。終点が見えない、完璧なワクチンも治療薬もない不安な要素を抱えたまま、経済を回し、人を動かし続けなければならないこの世界は弱い者がどんどん置いていかれ、今日の食べ物にもありつけない人々であふれている。このままでは、国とか企業とか目に見えない生命体モドキだけが生き続け、生身の人間は死に絶えていくような気がしてならない。コロナは人類をじわじわと亡ぼしつつあるのだろうか。(SONY a7R3)


雪の降った翌午前中の小公園の残雪
草の中に七草は混じっているのだろうか


屋根に積もった雪も溶け始め、反射光がまぶしい


お向かいの屋根の残雪も段々になっておもしろい

残雪を よけて避けては 午後散歩