2022年07月27日

朝焼けて夕焼けず

 毎日、空を仰ぐしかない日々というのは何だか山奥の仙人みたいな生活だ。心境としては、大昔の水墨画に出てくる中国の深山幽谷に暮らすような世界観か。そんなわけはない。小さなマンションの部屋でほぼ一日を過ごす独居老人に深山幽谷はない。いや、実態は妻と同居して健全な家庭を築いているはずだ。それでも現代を生きる者は、誰しもが一人ひとりの心は独居老人であろう、たとえ年齢が若くとも。
 夜更かしで朝寝坊の私もたまには早起きすることもあり、朝5時前、久々に朝焼けの撮影をした。朝はそれなりに焼けたのだが、夕焼けを期待してタイムラプス動画を撮影しようと構えていたのだが、肩透かしを喰らい、焼けることはなかった。準備をすると思うとおりにはならない。マーフィーの法則か。
 雑多に置いてあるペン立てから黒のボールペンを選びたいときがある。しかし、必ず選ぶのは、水性やゲルボールペンであり、油性ペンで、色違いだったりする。5本あれば5本目にたどりつく。二者択一でもまず違う方を引く。置き方を工夫すればいいだけではないか、と言われてもなぜか、選んで当てることにくだらない執着があったりする。馬鹿げた話である。
 日没直前からインターバル撮影をしていたので、折角なのでアップしてみた。自然を相手に撮影するのは、必ずといっていいほど、気合いを込めたときほど失敗する。そして、諦めかけたときに、天使の微笑みがやってくる。おおむね10回に1回うまくいけばいい方だ。これは最高だというときは、10年に1回あるかどうかだろう。だから、写真は面白いのだ。つまらないと思える撮影も奇跡のいっときが待っているかもしれないと、今日もシャッターを切ってみる。(SONY a7R3)


午前4時57分、起こされてベランダで朝焼けを見る


すごいと感動はしないが、よく焼けた朝だ


   ※動画です。再生ボタンを押してください。
27秒ほどの動画です。


夕焼けず 陽はさらさらと 暮れにけり


上の動画の7秒前ぐらいに写っていた
ハトかムクドリか、50羽ほどの群れが通り過ぎた