2022年09月16日

今日の非日常

 コロナ以前の日常に戻ることは、まだまだ先のことになるのだろう。日本政府は他の国のように観光も含めてコロナ以前のような状況にすべく、この秋の外国人観光客を狙って、円安によるインバウンド景気をもくろんでいる。コロナによって冷え込んだ経済を取り戻すため、政府も企業も必死なのだろう。しかし、個人のレベルでは慎重でありたい。少なくとも高齢者の域に達し、持病もある者には開放的な行動はできるわけがない。
 たとえば、どこかへ観光に行くという行為は、何がいいのだろうか。それは見飽きた自分の周囲の日常世界から異質世界の中で「非日常」を楽しみたいからだ。それが一番手っ取り早い非日常の獲得方法だろう。それを実行するには、お金と時間と体力が必要だ。時間はあるが、他がない我が身としては、ごく身近に「非日常」を作り出すか、見出すしかない。
 本を読むことがまず考えられる。実際に本を買うとお金がかかるので、無料の「青空文庫」で日本の明治・大正期の文豪たちの著作をネットで読んだりする。今年は森鴎外没後100年ということで、読んだことのない著作を選び読む。国立国会図書館や大学の古典籍ライブラリーで無料公開している江戸時代の洒落本などもいい。くずし字を読み解きながら江戸の雰囲気を味わう。
 それ以外では、日常の散歩や買い物の中でその日感じたモノたちをじっくり観察することだ。私の場合は写真を撮って、加工して「小さな非日常」を楽しむわけだ。そんなささやかな行為の中で今日を楽しんで生きていく。戻れないかもしれないかつての日常と非日常の世界を渇望するのではなく、今の条件の中でそれを見出していく、そんな今日の非日常もいいのではないか。(PowerShot G7X2)


雲がひとつぽっかり浮かんでいた
だから何?


大型スーパーにて


看板が毒々しい、のもいい


宇宙船なのか


アールデコっぽい


ムジナか


ちょっと躊躇したりして


色見本みたいに

何もない そうでもないと 楽しんで