2023年01月05日

月と飛行機

 早くも正月の5日となった。ここ何年も街の様子はクリスマスとか年の瀬、正月の雰囲気がかなり消え失せてしまったような気がする。街なかの人々の暮らしから古来の習慣が薄れつつあった中で、ここ3年間のコロナで決定的になったようだ。
 クリスマスのジングルベルの音楽が消え、店頭でサンタの恰好をしてケーキを売るコンビニやケーキ屋の風景もない。駅前では、年の瀬になると鳶のお兄さんが正月飾りや注連縄などを屋台で売っていたものだ。商店街の店には門松もなく、「謹賀新年」の貼り紙もあまり見かけない。個人の家では、元日に限らず祝日に国旗を掲げることも皆無になった。ただ、デパートや大型スーパーでは初売りで大騒ぎしているくらいで、家庭の日常の暮らしから正月らしさが消えつつある。車のフロントに注連飾りする習慣もなくなった。
 今年は行動制限のない久しぶりの正月ということで、初詣や皇居一般参賀が賑わったが、増加傾向のコロナ禍で我が家では初詣もやらないし、実家の集まりもない。姪の子どもたちには兄に託してお年玉を渡してもらっている。細々と続いていた古くからの習慣が無くなるのは淋しい気もするが、自分たちが可能な範囲で実行できることをやっていればいい。何もしなくても年は越せたのだから。
 満月が近くなった月がまだ青い東の空に浮かんでいた。ときどきは撮っておこうとベランダでカメラを構えると、ちょうど旅客機が飛んで来て、月の下に少しダブるようになった。300mmのレンズではトリミングしてようやく見える程度だが、面白い写真が撮れた。「撮り初め」としておこう。(SONY a7R3)


月の下を旅客機が飛んでいた
私がよくやる「合成」ではない、たまたまだ


ちょっと前の画像


だいたいこのときから撮り始めた


かなり過ぎていったとき

正月も 昔のすがた 今はなし
コロナ来て 消えし習慣 それもよし
月仰ぎ 機影重なり 撮り初め日