2023年09月03日

長月の贈り物

 同じ市内に住む友人が今年も野菜や果物をわざわざ持ってきてくれた。自宅の庭で収穫したカボスとシークワーサーをたくさんと、貸農園で育てたナスとピーマンもいただいた。特に白ナスは実物を見るのも初めてで、まだ、食べていないが、そのとろけるという食感を楽しみにしている。ほんとにありがたいことだ。そして、何より友人が元気で健康的に過ごしているという話を聞いてうれしかった。彼を見倣って、もっと健康に気をつけて今後を頑張りたいと心の底から感じた。(SONY a7R3)

 先月24日から海洋放出の始まった福島第一原発の処理水について、中国から散々の嫌がらせの電話などで日本が辟易している。中国政府の西側包囲網に反発する意図的な放出反対声明と中国国民の無知な反応は、悪意に満ちていることは確かだ。でもこれは、元を正せば日本政府による福島県民、漁民や国民への放出に至るまでの説明があまりにも不足し、遅すぎたことにある。
 日頃、日本政府は「国民の安全・安心を確保する」と言い続けてきた。しかし、今回は処理水放出の「安全」ばかりを強調するのみで、「安心」を捨て去った。今回の「安心」は「風評被害」を事前に防ぐ策を講ずることが、絶対不可欠であったことは誰でも理解できていたはずだ。福島漁民の不安・不満・不信は当然のことだろう。放出ありきの間際での政府首脳の現地入りなど取って付けたようで、あまりにもお粗末だった。
 福島の風評被害対策への予算化もされ、また中国による日本からの水産物全面輸入停止も受け日本政府は輸出先の開拓など対策を講じるというが、効果はあるのだろうか。計算してみないと何とも言えないが、福島第一原子力発電所が過去これまで発電してきた電力量と事故以前にかかった経費とその後事故によって発生した今後数十年発電せずに廃炉にいたるまでの原発にかかる経費、風評被害対策経費など含め1キロワット当たりで試算するがいい。どの原発もいずれ廃炉せざるを得ず、核廃棄物は未来永劫管理し続けなければいけない。このコストは事故が発生すればさらに福島のように膨大な費用になるはずだ。こんな不完全な発電システムにいまだ執着しようとしている日本及び各国は、問題を先送りし、未来の子どもたちの世界を奪ってしまうことを改めて想像し、一刻も早く原発を全面廃止する世界共通施策を考えてほしい。今を生きる政治家が決断しなければ何も始まらない。


白ナスの肌が美しい


野菜や果物は自然と人の手によって生まれた芸術品だ

長月に 贈られしもの ありがたし
白茄子の 艶やかな肌 君何処
原発の 被害弊害 山積し