2024年01月04日

唐辛子の花

 災害や事故は時や場所を選んでくれない非情さがある。元日に発生した石川県能登半島地震は津波や建物倒壊、火災など震災をもたらし、今日夕方現在で石川県では84人の死者、6人の行方不明者、179人の安否不明者がでており、さらに増える状況だ。そして、約3万3000人が不自由な避難生活を強いられている。多数の古い家屋が潰れ、また、火災が発生し、広い範囲が焼け野原になった。津波の被害も珠洲市で発生し、1人が行方不明になっている。この地震で亡くなったり、被災された方々に心からお悔やみとお見舞いを申し上げます。被害の全容はまだまだこれからで、救援・支援活動も本格化するのもこれからだ。何とかこれまでの日本国内の震災の経験を生かし、命を守り、被害を最小限にとどめる政府や行政からの支援をお願いしたい。
 そして、2日午後6時ごろに発生した羽田空港での日本航空機と海上保安庁機との衝突炎上事故は前代未聞で衝撃的だった。海保は機長を除く5人が亡くなったが、日航機の乗員乗客379人は全員無事脱出できたのは不幸中の幸いだった。日航、海保、管制官の発言が食い違うヒューマンエラーはなぜ起きたか、これからの検証は重要で、聞き間違いが起きるようなアナログ対応は改善されねばならないだろう。
 いずれにしても日本という国は、リスクの多い国のひとつだ。自然災害は経験を積んで対策や対応がかなり進んでいるかと思えばそうでもないようだ。過疎化、高齢化の進む地方では、耐震補強したり、耐震設計の住宅を建築することは経済的に不可能に近い。古い街並みを観光資源としているような地域では、必ず能登と同じことが起きるはずだ。これを機会に、耐震補強のできていない家屋は即実行するか、取り壊すしかない。観光資源より命が大事に決まっている。
 羽田空港の事故に関連して、世界がみな同じなのか知らぬが、離着陸にかかわる交信が人の声をメイン手段にしていることが意外すぎて驚いた。そして、海保機が滑走路に誤って進入したのが色々な灯火の影響で正しく視認できなかったことが原因のひとつだとしたら、デジタルの時代にあまりにもアナログすぎる。最後の最後は人間の咄嗟の判断が必要なのは理解しているが、ここまで遅れている現状の航空管制体制は恐ろしい限りだ。
 災害でも事故でもどこかに経済優先の国民の命を無視するような国や企業の発想が根源にあるような気がしてならない。裏金問題への関心がこの災害や事故で薄まることを期待している政府・自民党連中の心中が透けて見える。政府に期待することが空しくなる新年早々ではある。

 実家の兄から柚子などをもらったとき、その中に葉っぱのついた唐辛子もあった。自分で庭に前年の種を蒔き、毎年繰り返し収穫しているのだ。一部を小瓶に差し観賞用にして食卓脇に飾ってみた。もう3週間は経過した今日になって、一輪の小さな白い花が咲いたのだ。とても可愛い瀟洒な花でよく観察すると他にも花芽がありそうだ。水だけで力強く、ここまで命をつないでいる唐辛子の生命力に感服した。どんなことがあっても命ある限り希望を持って生きてみたいと思ったしだいである。(SONY a7R3)


直径1センチメートルほどの小さな花が可愛い


他は天日干しして調理用にするが、これだけ鑑賞用にした

一輪の 花咲くや冬 唐辛子
あれやこれ お上のなせる 徳のなさ