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関東地方などは今日梅雨が明けた、とされる。いつもより梅雨入りが遅く、さほど梅雨だったという感慨もなくさっさと明けてしまった感じだ。気候変動はさまざまなカタチで日本の四季の風景を変えつつある。
春夏秋冬のメリハリのある季節感は、私が小学校低学年ぐらいまでのことだったのかもしれない。昭和40年代になると近くの川はヘドロで濁り、田んぼは埋め立てられ、団地や住宅が建ち始めていた。
初夏から夏の風物詩である夕方の田んぼのカエルの騒がしい鳴き声、夕立が来たときの土ぼこりの匂い、草むらのむっとする香り、汲み上げた井戸水の冷たさ、近所に唯一ある駄菓子屋で5円で買ったラムネを開けたときの音そして口の中ではじける刺激的な味、少しは涼しい開け放った家の中に敷かれたゴザに寝転んだときのほんのり冷っとする夏休みの昼寝の感覚、いつの間にか、自然と人の素朴な営みとの五感で得たすべての一体感を私たちは失ってしまったようだ。
私たちは便利さという文明を得て、かけがえのない豊かな自然の恵みを自らの手で葬り去ろうとしている。立ち止まる勇気と賢さを先進国と言われる日本がまず率先して実行すべきときがとうに来ている。
それにしても、夕焼けが美しいのがまだ救われるような気がする。(SONY a7RM3) |
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