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「世の中にたえて桜のなかりせば 春の心はのどけからまし」(在原業平)と中学生のころだったか、習った有名な古今和歌集の短歌だ。さだめし私の春にも充分に当てはまる心境だろうか。春になれば、桜のことで頭がいっぱいになる。若いころなどろくに花見などしたこともなく、まして写真の被写体にはなりえなかった。年齢を重ねるごとに、桜への思いが深まっていくようだ。などと老境の感傷がちとわびしいものだが・・・。
まだ満開には時間があり、近所でアップで撮れる場所を求めて、雨上がりの午前中、澄んだ空が出ているときを狙った。近くの教会が運営する幼稚園の庭に咲くソメイヨシノがほどよく花をつけている。枝が低く張り出しており、歩道から至近距離で撮れた。黄砂も花粉も洗い流してくれた朝方までの雨のおかげで、まだ二分咲き程度だが生きのよい桜を撮ることができ幸せであった。まだまだ桜でそわそわする日々が続き、「のどけからぬ」春を楽しんでいたい。(SONY
a7RM3) |
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