◇二十歳前の自分というものは、恐ろしくナルシストで自分の感性なるものに溺れていた。

他人にこの感性や感覚がわかろうが、わかるまいがどうでもいいことなのだ。

自分というものを表現せずにはいられない、という焦燥感を満たすための媒体がたまたま写真であったにすぎない。

 そして、おのれ自身の画像を印画紙に焼きつけることが、渇きを癒す最高にして最後の方法であったのかもしれない。

誰もが、何かの形で通り過ぎる「青春」と呼ばれる時代の行動が、

外界に向けて発散するのと同時に自己愛そのものであるように。



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