◇1977年の夏であった。

横須賀が基地の街であることは誰もが知っている。

しかし、訪れてみると改めてそれを実感するとともに、

時が昭和20年夏で止まってしまっているかのように錯覚する。

米兵相手に似顔絵やヌードを描いて売っている粗末な店先で

ひとりの少年が手持ち無沙汰そうに店番をしている。

この空間は確かに時間が凍りついていた。

別のアジアの国に来てしまったかのようである。

 この時、日本は未だに被占領国で独立した国家ではないと悟った。

それから、時は立ち、少年はいなくなったが、この国はまだ独立できないでいる。

アメリカからではなく、幼い自分自身から・・・

1977年8月20日、28日撮影


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