Ｋ氏の素敵な生活

☆たどりつけない！

●高知市内から西へ向かい、途中から国道をはずれ、北上　していく。だんだんと山間地域に来ているのだな、感じてくる。しかし、道はまだ充分広い。。。あらかじめ、Ｋ氏からメールで目印や写真の入った詳しい地図を送ってもらっていたので、助かった。

●支流の川も上流に行くに従い、岩がごつごつと自然の渓谷を美しく見せてくれている。かなり深い山の中に入って来たようだ。まだ、道は当然通れるし、視界もきく。

●道が狭いことは、あらかじめ聞かされていたが、目的地が近づくにつれ、極端に狭くなってきた。車一台、それも軽自動車が精一杯という道幅。借りた車は、三菱のコルト、比較的小さめなのを借りたので、どうにか通れるが、対向車が来たらアウトである。ガードレールなどない。脱輪すれば、落ちていくだけだ。対向車が心配である。数百メートル進むと、待避所らしき道幅の広くなったカーブがところどころあるが、こんなところを数百メートルもバックできる技術も根性もない。最も緊張していたときである。クラクションを鳴らしながら、恐る恐る進んでいく。しかし、もらった地図の目標物がいくら経っても現れない。カーナビは付いているが、こんな山の中までフォローしてくれない。しばらくして、工事現場に人がいて、道を尋ねた。よく方言がわからないが、ある地点まで戻る方がいいということになった。道幅が広くなるところまで行き、そこでＵターンしてまたぞろ、恐ろしき道を引き返す。そして、目標物があったので、方向を変え、新たな方へひたすら進むことになるが・・・。

●すると、また、先ほどのような細い道がはじまった。しかし、進むしかない。こんな道の先に人家があるのだろうか？　時間が遅れているのでさらに不安になった。携帯電話は、当然のごとく「圏外」のまま。Ｋ氏に電話して聞くにも聞けない状況だ。でも、転落の恐怖に怯えながら、進んでいくとパッと視界が開けた。ようやく、人家が見えたのだ。しかし、ここに見える家は、Ｋ氏の家ではない。一番近いご近所であることは、後で教えてもらったが・・・。少し先に行ったところに軽自動車が止めてあり、そこに私の車も止め、歩くように聞いていたので、ここからは家まで徒歩で向かうことにした。

●別に何か案内表示があるわけではないが、人ひとりがようやく歩けるだけの急な道が家へと導いてくれるはずだ。砕けた石が転がる道は、昨夜降った雨で土と一緒になり、滑りやすい。スニーカーではとても歩きにくかった。ケモノ道のようなＫ氏宅に通じるこのジグザグの道を数百メートル歩く。数十メートルは登っていることだろう。Ｋ氏は五分くらいというが十分以上はかかった気がする。

途中、Ｋ氏宅に着く前に振り返って下界を見ると、かなり登ってきたことがわかる。 後でＫ氏に聞いたのだが、はるか向こうに見える棚田の一部を 現在、Ｋ氏は借りて水稲栽培をやっているそうだ。 とにもかくにも、高知市内から二時間近くかかってたどりついた。ふぅ〜。

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