女性天皇 |
2005/11/27(日)
先日24日、小泉首相の私的諮問機関である「皇室典範に関する有識者会議」は、皇室の安定維持を図るためとして、皇位継承資格を女性や女系の皇族に拡大することなどを求める報告書を首相に提出した。これは皇太子の第一子が女性である愛子さんであること、また、皇太子妃の雅子さんが今後第二子以降の出産の可能性が低いといったことが直接の動機になっているのだと思う。
神代の桓武天皇から現在の天皇まで125代になるそうだが、推古天皇や持統天皇など女性天皇は8人いるが、基本的に男系で継承されてきたことから、この報告書どおりになれば愛子さんが皇位継承史上初めての女系天皇の祖となる。
この話題に根本的な違和感を覚えるのは、「天皇制」が今後とも未来永劫に継続することが当然の理として存在していることにある。「天皇」あるいは「天皇制」がこの日本にとって絶対不可欠な存在あるいはシステムなのかどうかも含めて議論すべきなのに、男系だ、女系だと枝葉末節なことでエネルギーを消費している。戦後、マッカーサーが日本統治の手段として天皇制の継続を決断したことから現在に至っているわけだが、もし、天皇制を廃止していたところで日本はアメリカの支配のもとに着実に復興をとげていたであろう。
天皇制を維持するための国家予算は、最近では平成13年度の197億円をピークに下がってはいるものの、それでも平成17年度では176億円余りの税金を使い、22人の皇族と1080人の役人を養っているわけである。先日結婚して皇室から離れた清子さんの持参金が1億5千万円余と聞いて、これがすべて国民の税金だと思うと平常心でいられる国民の方が少ないのではないだろうか。
「皇室」という存在は、ひとつに国民にとって手の届かない、秘密であり、未知の別世界として好奇心を掻き立てるスケープゴートとしての存在と、そして、もうひとつは必要性の有無を問われる盲腸のような存在とになるのであろうか。ご本人たちこそシステムの中の犠牲者であり、戦後の敗戦処理を未だに担っている気の毒な方々だと思う。私が生きている間には天皇制が消滅することはなさそうだが、男子、女子いずれにせよ皇族を自分の意思でいつもでも離脱できる自由が少なくともあってもいいのではないだろうか。皇族といえどもごく普通の国民になれる人間としての権利はあるはずなのだから。
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