2021/12/01(水)
長引く新型コロナウイルスのパンデミックは、また、新たな局面を迎えたようだ。11月24日に南アフリカで新型コロナウイルスの変異株が新たに確認されたのだ(変異株の採取はボツワナと後に判明)。この変異株は「オミクロン株」とWHOで名付けられ、デルタ株に続いて「懸念される変異株」として、感染力が強く、ワクチンの効き目も弱く、人の免疫力が通用しない(免疫回避)ものらしい。
このオミクロン株という名称だが、WHOではイギリス株やインド株といった国などの地域名を使用したウイルスの名称は差別につながるという理由で、ギリシア語のアルファベットでアルファから順番に変異株の名称にすることとした。これまで1番目アルファから12番目ミューまで使用している。今回は順番では13番目ニューになるべきだが、「NEW」と紛らわしいため飛ばし、次の14番目クサイとなると思いきや、それも飛ばし15番目のオミクロンとなったわけだ。クサイは英語で「xi」と表記するため、これが中国国家主席習近平(Xi
Jinping)の姓と同じ表記になることから配慮されたとのうわさである。中国への忖度だらけのWHOのテドロス事務局長らしい発想である。
感染状況は、当初南アフリカ、ボツワナ、イスラエル、香港などから始まり、12月1日現在、日本の2件の症例を含む22ヶ国でオミクロン株が確認されており、その数は増える一方だ。日本では26日当初は南アフリカ周辺6ヶ国の10日間入国待機としていたが、29日には岸田首相は11月30日から当面全世界からの外国人入国制限をすると発表した。菅前首相との決断力の違いを際立たせる必要もあるのだろうが、一般国民からすれば当然の措置だと受け止め評価したい。当然、空港や港などの水際の感染防止などは、所詮時間稼ぎの一時しのぎであるため、今後確実に増加していくであろうオミクロン株への各種対策が政府に問われていくことになる。未だに確認されていないアメリカなど含め、日本国内でももっとオミクロン株が広がっていることを前提に急がねばならない。
衆議院選挙から1ヶ月も経過しているというのに、まともな国会でのコロナ対応のための法整備や予算のための審議がまだ始まっていない。立憲民主党が注目度の低い間の悪い党首選挙をのんびりやっている間に事態は刻々と変化している。結果として重症化や死亡リスクが低い変異株だとしても、現時点では可能な限りの対応策を準備しておくべきであり、感染者の減少が維持されている今の日本では機動的に次の手を早目に余裕をもって対応していきたい。経済全開への急発進するアクセルの性能よりも安全な急ブレーキの方法をもっと考えておくべきだろう。
前月11月の日本の感染確認者数4492人、死者93人だ。感染者最多月2021年8月56万7766人、死者最多月2021年5月2817人と比べ大幅な減少となっており、現状のチャンスを最大限に生かすべきだ。コロナ禍は完璧な経口治療薬が全世界に流布されるまで続くことは間違いないのだから・・・。オミクロン株の推移を見守っていく。 |
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2021/12/28(火)追記:市中感染拡大
いよいよ年末になってきて、オミクロン株の市中感染が報告されるようになった。PCR検査ですぐさまオミクロン株かどうか判断できず、ゲノム解析に3,4日かかるため、感染確認者数を把握しにくい。NHKホームページで12月24日現在、日本国内226人が確認されているがその後も毎日増え続けている。大阪で3人のオミクロン株が本日高齢者施設で確認され、オミクロン株のクラスターが発生したことになり、完全に市中感染が大都市を中心に広がっている状況だ。
世界ではすでに9割がオミクロン株に置き換わっているのではないかとも言われている。フランスやイギリスも1日感染確認者数が10万人を超えている日もあり、爆発的だ。デルタ株に比べ、3倍から4倍の感染力があるというが、症状は無症状や軽症が多いとの状況だ。しかし、京都大学の西浦博教授の調査報告(イギリスの例)では、オミクロン株はデルタ株に比べ、外来受診の確率が約8割、1晩以上の入院の確率が約6割とされる。つまり、喜べるほどの軽症さではないとのことだ。まして、感染力が3、4倍あるのだから重症者数は感染者数の増加に伴いこれまで以上に増えることを予想しなければならない。
テレビ局の報道番組によっては、無症状軽症が多いのだから、経済を停滞させずに、オミクロン株の恐怖を煽るべきではないとするキャスターもいたりする。感染症の専門家がまだオミクロン株の正体がはっきりしない状況では慎重に感染対策を怠るべきではないとの意見を無視するような物言いもする。スポンサーのいる民間放送では経済を停滞させるような強い自粛を求めたりする発言をしたくないのであろう。聞いていて違和感があるものだ。
3回目の接種(ブースター接種)が感染を防ぐことは難しいかもしれないが、重症化や死亡リスクを抑える効果が8割から9割あるとされる。政府には1600万回分のワクチン在庫があり、高齢者には原則2月からの接種を考えているようだが、専門家らは接種できる自治体に今からでも配布し接種すればいい、というのが大勢だ。少なくとも接種券ぐらいは発送してしまってもいいはずだ。各自治体は、ワクチンと新たなモデルナ用保冷庫があればいいのだ。段取りはすでにノウハウが蓄積されたはずだ。都市部や沖縄など発生数の多い箇所とすぐに対応できる自治体に発送すべく、年末年始返上で政府は動かねばならないはずだ。
※追記の追記
厚労省大臣やワクチン担当大臣が原則2月を1月からでもブースター接種を開始することは可能だとする発言が本日あった。この際の両大臣の発言で「1月から接種しても差し支えがない」という言い方をした。この「差し支えがない」という官僚用語を大臣がそのまま使う感覚が一般国民には奇異に感じる。本当はいやなのだが、やりたければやっても仕方がない、まあ、支障はないから差し支えないという、極めて消極的で冷酷な言い方だと思う。それをそのまま読む大臣は無能だと証明しているようなものだ。岸田内閣は、レベルが低すぎるメンバーを集め過ぎた。岸田内閣の地方のデジタル化も何がメリットあるのかさっぱりわからない。多分、デジタル庁を含む政府のデジタル化構想は莫大な業者委託費用に税金をつぎ込んで、結果を得られないものになるのは目に見えている。年明けからが思いやられる2022年になりそうだ。 |
(テレビ朝日12/28モーニングショーtwitter画面より) |