2022

コロナ第7波
2022/07/23(土)
 新型コロナウイルスの新規感染確認者数の合計が7月23日に20万975人を記録し、過去最高となり、第7波のピークに向かいつつある。この数字は、第6波の今年2月上旬の10万人余の2倍になるという記録的な感染者数である。2月上旬以降徐々に減りつつあった感染者数は底を打たずに、7月に入って増加の速度が増してきて、5万人に達したのが7月8日(安倍元首相暗殺)、10万人に達したのが15日だ。ほぼ1週間ごとに倍々になっている。このままではもう2週間もすれば80万人に達してしまう。こういうのを小池都知事も得意な「指数関数的」増加というのだろうか。
 この状況でも、緊急事態宣言でもなければ、まん延防止等重点措置でもないという。日本も欧米各国に近い経済優先主義を選択した。濃厚接触者の待機期間をこれまでの7日間から5日間にし、検査が陰性であれば3日目に待機解除となる対応に即刻改めた。新たな行動制限は行わず、社会経済活動を優先し、専門病床を3万床から5万床に増やすという。岸田首相は、経済界からのこれまでの状況や圧力を充分に考慮して、政権の支持率低下を招く「あぶない橋は渡らない」方式を実行しているのだろう。現在、支持率も50%を超えており、経済界の支持を失う行動制限や憲法改正などのタカ派的言動を最低限に抑え国民にハト派で受け入れさせている。可もなく不可もない上手な政治手法なのかもしれない。カリスマ性がない部分をバランス感覚でこの難しい時期をやり過ごそうとしているのだろう。
 しかし、このコロナはまだまだ未知なのだ。感染力の高いオミクロン株の変異種BA.5やBA.2.75(ケンタウロス)が猛威を振るっており、重症化リスクや死亡率もまだ不明なのだ。感染者数が増えれば、死亡リスクが今のところ低いとはいえ、死亡者数も増えていく。20人前後で推移していた死亡者数も今日は72人と最近では最高となった。決してこの状況を甘く見てはいけない。何か、欧米のマスクなしでコロナ前の通常の生活を営んでいる映像をみたりすると、日本人は「もう、いいんじゃないの」という雰囲気になっており、テレビのワイドショーなどの若いコメンテーターが政府寄りの「社会全体を止める必要は全くない」という発言も出てくる。果たしてそれが正解かどうなのかは誰も確証できない。感染すれば、特に若い人に後遺症がずっと続く例もあり、それでも自主診療となっていて、国の補助はない。今後も自己責任で後遺症と戦うことなる。後遺症は若い人に多いため、今後の感染症の研究を含め、治療費用は全額を国費で対応するのが当然であろう。日本人及び日本政府の得意ワザである「のど元過ぎれば、すべて忘れる」の対処法では、必ず国家は疲弊し、破綻する。希少で貴重な若者たちを支えて未来につなげることができなければ、もうまもなく日本には若者はいなくなり、日本は終わる。
 

NHKWebサイト画面より借用

NHKデータを借用加工

安倍元首相暗殺
2022/07/08(金)
 安倍元首相が銃で撃たれ、死亡した。7月8日午前11時30分ごろ、10日投開票の参議院選挙の応援で駆けつけた奈良市内の路上で演説中、元海上自衛官(41)に手製の銃で撃たれた。元首相は心肺停止の状態になり、搬送された奈良県立医科大附属病院で午後5時3分、死亡が確認された。67歳だった。容疑者は「殺そうと思って狙った」「政治信条に対する恨みではない」との動機を語ったとされ、また、「特定の宗教団体に恨む気持ちがあった。安倍元首相が(その団体に)近いので狙った」とも容疑者は供述しており、明確な背景などはわかっていない。
 いずれにしても、戦後このような形で元首相が暗殺されるのは初めてのことだ。安倍さんの政治的な功罪はあまたあるが、史上最長の内閣総理大臣として、国内外に広くその個性を発揮したことは間違いない。功として印象に残るのは、2016年のオバマ大統領の広島訪問と安倍首相の真珠湾訪問による日米の戦後和解がなされたことだと思う。たとえ形の上だけとしても、現役のトップが互いにそれぞれの負の遺産を認め、いたわり合ったことは価値があったと感じる。罪の部分はモリカケ問題、桜を見る会の公権力の私物化、そして、憲法改正への執着による三本の矢の最も重要な成長戦略の失墜があげられる。
 個人的には同じ昭和29年度生まれの同学年世代で、生まれも育ちも月とスッポンだが、それなりに近しいものは感じる。考え方も真逆だが、だからといって殺してもいいなどと決して思わない。思想信条が異なる人間の意見を尊重し合えるのが民主主義国家であり、それを国民一人ひとりが自覚と責任を持ち、選挙という形で堂々と勝負するのが、戦後日本の出発の原点だったのだ。それを気に喰わない人間だからといって、暴力で葬り去ることはいかなる理由があっても許されるわけはない。
 安倍晋三という政治家は、記録や記憶に残る人物として日本の政治史にその足跡を記したことには間違いない。ご冥福を祈るばかりだ。

NHKニュース画像より

ロシア、ウクライナ侵攻
2022/02/24(木)
 とうとうロシアのプーチン大統領はウクライナに軍事侵攻してしまった。ウクライナ首都キエフとロシア国境近くのハリコフの軍事施設などへミサイル攻撃し、軍事進攻が始まった。東部のドネツク州とルガンスク州の一部にロシア軍主導で作られた自称共和国のロシアによる独立承認が今回侵攻の直接の始まりだった。CNN放送によれば、北のベラルーシ側からもロシア軍戦車などが侵攻してきたようだ。すでに占領編入されているクリミア地区からも北を目指している。プーチンは「ウクライナの占領は計画にはない」と言っているが、もうすでにウクライナ全土制圧はほぼ間違いない。
 プーチンは、旧ソ連時代の大国主義を復活したくて仕方がないはずだ。クリミア侵攻で経済制裁を受けながらも、超大国、軍事大国、強国であり続けたいという執念にとりつかれた過去の亡者のように見える。アメリカのバイデン大統領は、今回の軍事侵攻を阻止すべく早くからロシアによるウクライナ国境周辺へのロシア軍集結を衛星写真を公開して、予防線を張っていたが、そんなものは気にしなかった。プーチンは各国首脳と対話する形はとっていたが、8年前から始まったウクライナ占領は緻密に計算された侵攻計画であって、各国の意見など聞くわけもなかった。この軍事侵攻は、とっくに決定された計画を順繰りに進めてきた結果であろう。バイデン大統領やマクロン大統領もプーチンに完全になめられたのだ。プーチンにとって、約束など屁みたいなもので、ウソをつくなど当たり前の話だ。
 プーチンはロシアとウクライナはひとつの民族だと主張したが、ウクライナ人からすれば全く別の民族であり、言語も文化も違うという。要は結論ありきで始まった侵攻なのだ。負けるケンカは絶対にやらない、というのがケンカの常道であり、プーチンには周到な準備による充分な勝算があったからこそ、今日の侵攻になった。今後は、ロシアによるウクライナ実効支配が続き、欧米は経済制裁などを強めるだろうが、軍事的な対抗措置を強く進めることはないだろう。アメリカ国民もバイデン大統領への支持は少ないため、積極的な軍事的対抗措置はありえない。イギリスやフランスもそんな余裕はないだろう。また、日本がG7で金を要求されるのがオチだ。
 この状況をじっと見守っているのが、中国だ。中国は今回の侵攻を米ロそれぞれに自制を、というだけだ。そして、今後の成り行きを詳細に観察、考察し、台湾への進攻をより慎重に完璧な計画として練り上げることだろう。中国は現在経済成長が鈍化しつつあり、国としてはまだまだ発展していく必要があり、西側諸国との経済的関係を壊すことはできない。10年、20年計画で野望を実現するはずだ。
 今回のロシアによるウクライナ侵攻の結末を希望的観測に予想するなら、ロシア内部による軋轢が増すことだ。ロシア国民や軍内部でもプーチンを全面支持する人間ばかりではないだろう。西側による経済制裁が強化されれば、国民の生活はさらに逼迫し、不満は増大する。強固な国家組織は外部の圧力や軍事攻撃ではなく、必ず内部の権力闘争や腐敗、国民の反発、反政府組織によって崩壊するのが宿命だ。ただし、当面は世界的な経済混乱が続くのは必至であろう。コロナ禍が続く世界で、このウクライナ侵攻が全世界を巻き込んだ世界恐慌になる可能性もある。まずは物価が急上昇するのは間違いない。日本の貧困化が加速化するかもしれない。日本政府は、西側諸国と同調するとともに、国内の経済・コロナ対策をも進める大きな重圧と負担を背負うことになった。コロナと戦争で、この暗い世界はまだまだ続くことになりそうだ。

CNN放送画像より

2022/03/23(水)追記
 ロシアのウクライナ侵攻から4週間、約1ヶ月が経過した。事態は泥沼化している。当初、ロシアの圧倒的な軍事力で数日で首都キエフも陥落とも思えたが、アメリカ始め、NATO諸国からの武器などの援助でウクライナ軍およびウクライナ国民はロシア軍と善戦している。降伏はしないというゼレンスキー大統領への高まる支持のもとでウクライナの士気が高く、ロシアも手をこまぬいている様子だ。しかし、一般市民の死者も増えており、停戦の実現が急がれる。
 我々日本人にとっては、ウクライナという国は遠い存在で、ソ連時代の小麦が獲れる穀倉地帯だという知識と記憶しかない国であった。今回の戦争により、改めて世界地図を広げ、位置を確認し、キエフやハリコフ、マリウポリ、リビウなどという都市名と位置を知ったのだった。
 この1ヶ月、ウクライナからの映像は破壊された街並みと悲嘆にくれる市民、西側に逃れる市民、そして、ゼレンスキー大統領の雄姿であった。私たち日本人は、それをさまざまな感情と関心を抱き、見続けてきた。ネットでもテレビには出せないさまざまな悲惨な様子を見る機会に触れた。今回の戦争は、最新鋭の武器も飛び交う、武器見本市でもあり、ネット社会を利用した情報戦争でもある。ゼレンスキー大統領の巧みな動画配信はウクライナ国民はもとより、全世界に多くの味方をつけることに成功している。今回の戦争は、フェイク映像やプロパガンダ情報もあったりと、何が事実であり、何が虚構なのかがわかりづらいのも特徴である。映像や言葉を鵜呑みにすることは危険である。それがロシア側であれ、ウクライナ側であれ、同じことだ。
 日本は欧米に倣い、ロシア制裁に加担しているが、あくまで経済的な制裁であり、軍事面での加担は許されないため、慎重に行動するしかない。「ウクライナ可哀そう、ロシア憎し」という短絡的な感情で事態を見ないように冷静でありたい。日本は衰えてきたとはいえ、GDP世第3位の経済大国であり、国際社会での重要なリーダーシップを発揮しなければならい国であることを自覚し、単に金づるとしか見られない現金引き出し機であってはならない。今日、行われたゼレンスキー大統領によるオンラインでの日本の国会演説は、軍事的協力を求められないことを配慮した内容で、アメリカ議会での演説でパールハーバーを持ち出したような表現はなく、引き続きロシアへの制裁を求める常識的内容だったのが好感されたようだ。日本が今後、国際社会の中にあってどういう立ち位置で今回の戦争を捉えているのかを明確に示すことができるのか、停戦、終戦、戦後復興への役割を日本はしっかり果たすことができるのか、問われているのだ。

3月23日NHK放送画像より

コロナ第6波
2022/01/22(土)
 新型コロナウイルスのオミクロン株が世界を駆け巡り、日本にもその大波がついに押し寄せてしまった。本日、1月22日の感染確認者数が5万人を超える5万4576人となった。第5波ピークの2倍以上である。これで第6波の頂点なのか、それともまだ先にならねば頂点には達しないのだろうか。欧米各国よりも感染者数は低いが、日本は検査体制を拡充しないままであり、実態ははるかに多いはずだ。低レベルでの同じ検査体制で感染確認者数を把握すれば、その意味では波の変化は正しく掴めることになる。だから最近の感染者数の増加の異常さがよくわかる。しかし、イギリスでは感染者数が減少しているからと、マスク着用義務などの規制を撤廃する。フランスでは感染者数が増えてはいるが、重症者は減っているとしてマスクはやめ、飲食店での接種証明を提示すればよくなる。ただ、多くの国では経済をフル活動させるにはまだ懐疑的な傾向にある。ワクチンと検査で何とか手探りで経済を回していこうとしている段階であり、感染対策を放棄したわけではない。日本では、未だに「ただの風邪」のようなものとして、このオミクロン株を軽く見る人々がいるが、まだ結論を出すのは早いはずだ。確かに重症化が高いデルタ株よりもオミクロン株は症状が軽く、後遺症もあまりないとの例が多い。だが、多くの感染者が20代、30代の若い人々であり、今後の高齢者への感染拡大で重症者が増えることは容易に想像される。実際、死者数も重症者数も増加傾向にあり、東京都では65歳以上の新規陽性者数が大幅に増加しているという。未知のウイルスのままであり、楽観は禁物だ。改めて基本的な感染対策である、マスク着用、手洗い、部屋の換気、人混みを避けるなどできることを続けていきたい。

NHKデータを借用加工(以下同様)

2022/02/05(土)追記
 ついに日本の新型コロナウイルスの一日あたりの感染確認者数が10万人を超えた(クルーズ船除く)。2月5日時点で10万949人だ。この2週間で約2倍に増加したことになる。今年1月1日から2月5日までの1ヶ月あまりで149万2090人の感染者が確認されたことになる。これは驚くべきことに、去年1年間2021年1月1日から12月31日の累計149万7649人とほぼ同じなのだ。去年の感染者数がわずか1ヶ月で到達してしまったことになる。そして、無症状や軽症が多く重症化しにくいと言われながら、ここに来て死者数が急増しており、昨日今日、連日100人を超えている。重症者数も1000人を超えた。
 この状況はどう考えても緊急事態である。まん延防止等重点措置で様子を見ている場合ではない。検査キットもない、ワクチンの追加接種も進まない。治療薬も数が足りない。すべての見通しが甘かった。保育園や学校で子どもたちに感染が広まり、家族にうつす家庭内感染が主流となった。そして、看護師、保育士など医療を直接、間接に支えるいわゆるエッセンシャルワーカーが感染者または濃厚接触者となり、現場を離れざるを得ない異常事態だ。「経済を回す」ことを優先するあまりに、すべてを失いかねないかもしれない。政府は感染者がどれだけ増えようが、死者が増えようが、経済優先策により、ある程度の犠牲者はやむを得ないと判断しているのだろうか。この国は、いったい何をしたいのか、まるで理解ができない。国民にもっと説明し、訴えかけなければならない。
 NHKで「100分deパンデミック論」という番組の再放送をちらっと見たが、示唆に富んだものがあった。社会で重要な役割を果たしているエッセンシャルワーカーの存在がパンデミックで注目されているが、総じて給料が低いのは、社会的に立場の弱い人々への差別感があるからだというのがあった。安全なところで口先だけを動かし、「外注(嫌な仕事を外部に委託)」している人間が高い給料を得ている歪んだ世界があるということだ。このパンデミックが終息しても、元に戻ってはならいという意見もあった。そのとおりだと思うし、もう戻れない気がする。このコロナはウイルスの感染症という形ではなくても、姿を変えて次々に人類に難題を投げかけてくるはずだ。アメリカではこのパンデミックにより、ますます貧富の差が拡大し、所得分布上位1%の人間が中間層60%の人々を上回る資産を保有しているという資本主義の末期的な様相を呈している。壊れかけていた資本主義がコロナによって、ダメ押しをされたのかもしれない。余分な富を持たず、必要な分だけを誰しも手にできる社会になれるのか、人類は地球という生命体から挑戦を受け続けることになるのだと思う。いろいろな矛盾がこのコロナによって、見えてはいたけれど見ようとはしなかった人間の闇の部分を私たち見ることになった、直視せざるを得なくなった。
 
 
 

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