日本軍施設 2
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アドバルーンを揚げている建物が軍の施設かどうかはわからない。この垂れ幕の文字「慶祝 国民政府改組還都」の意味は何か?日中の歴史を深く調べないとこれもわからない。今、インターネットの少ない資料でわかるのは、昭和15年11月に「日本、汪精衛政権を承認」とあり、同年3月に南京に樹立した国民政府「汪偽政権」を日本が認めている事情と関係ありそうだ。「改組」とは国民政府が弾圧され、日本に都合のよい傀儡政府組織となり、「還都」つまり、もともと南京で樹立された国民政府が戻ってきたことを日本として祝う形をとったのではないか。つまり、中国は日本の手の中にあるという自負だと感じられる。昭和16年3月の南京での撮影とすると一周年記念かもしれない。
父はなぜこの写真を撮ったのか?単純にアドバルーンが珍しく、面白く感じたからだろうか。あるいは、何と傲慢な宣伝をしている日本よ、と思ったのか、それすら今となってはわからない。 |
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